- ビットコイン(BTC)市況
- 中東情勢の緊迫化に伴い、原油市場や株式市場で地政学リスクの高まりが警戒される中、仮想通貨市場ではビットコイン(BTC)が急落・急騰を繰り返している。一方、モナコイン、ネム、イーサリアムなど沈黙していたアルトコイン市場がにわかに動意付き始めた。
国際金融市況
サウジアラビアの石油施設がドローン爆撃されたことを受け、原油先物価格(WTI)は約15%上昇、2008年以降最大の上昇幅となった。S&P500指数が大幅下落したほか、ガソリン価格など原油の影響を受けやすい自動車メーカー株が煽りを食っている。
原油価格15%近い急騰
— にこそく(市況民) (@nicosokufx) September 16, 2019
9/17 モーサテ pic.twitter.com/A9fJmU2cbx
世界最大の石油生産国で、原油生産能力が一時半減したことで供給量への悪影響が懸念された。一方、サウジ政府は輸出用のストック放出で賄うとしたほか、専門家は「各国の石油備蓄は十分にある。当面支障はない。」との見解を示し、冷静な対応を呼びかけている。
ただし、犯行に加担した勢力に対する憶測が乱れ飛んでおり、サウジアラビアの報復や米国による軍事介入などで事態が泥沼化し、石油の生産停止が長引いた場合はこの限りではない。ロイターの報道によれば、リスタッド・エナジーの石油市場調査部門を率いるBjornar Tonhaugen氏は「現状では、日量570万バレルの石油生産が停止している。10日間以上長期化するなら、重大な局面を迎える可能性がある。」との見解を示した。
これに伴い、米国株式市場では、安全資産のゴールドに資金を逃す動きも観測されている。
日本では3連休となった仮想通貨市場。モナコイン(MONA)の急騰に連れ高するような循環物色も見受けられた。ネム(XEM)が一時高騰するも、反落。
そんな中、イーサリアム(ETH)は反落せずに上昇基調にあり、ビットコイン(BTC)の反騰を後押しした可能性がある。
アルトバブルの様相を呈していた2017年には、ETHネットワークの需要を示すGAS代の高騰に相関するようにしてETH価格も上昇していたが、2018年以降は無相関状態にあった。
イーサリアムのプロダクトマーケティングマネージャーであるAnthony Sassano氏は、14日間の移動平均に基づいたネットワーク上のガス消費量とETH価格との比較画像を投稿した。14MAが過去最高を更新し続けている点が、低迷する市場の中で「ネットワークの持続的な成長」を示しており、乖離している現在のETH価格は過小評価されているとの声も強い。
Ethereum total daily gas used (blue line) is currently at all time highs based on the 14 day moving average. pic.twitter.com/juL53Rm1Gy
— Anthony Sassano (@sassal0x) September 14, 2019
また、イーサリアムの共同創業者Vitalik Buterinが、イスラエルのEthereal Summitに登壇。「全員がPoSステーキングに参加した場合の最大報酬は、保有量に対して年利1.7%になる」などと述べたことも追い風に。10月に控えるDevcon5や2020年に予定されるETH 2.0に向けて、市場からも再注目されている。
関連:ヴィタリック、仮想通貨イーサリアム「バリデーター(承認者)の最大報酬」などEthereal Summitにて重要発言
ビットコイン(BTC)市況
ビットコイン(BTC)は、乱高下を見せている。
1:00の節目で4h雲下限にて押し目買いの強さを確認後も揉み合いが続いたが、5:00頃を境に急反発。下げ幅を帳消しにするシンプソン相場となった。その後さらに反落するなど、予断を許さない状況が続く。
大局的には、依然として日足レベルのペナント、あるいはディセンディングトライアングルのレンジ内で推移しており、徐々にボラティリティが減少している様子が見て取れる。