
NEM(ネム)財団技術部門によるアップデートが10月14日に発表された。NEMのブロックチェーン技術カタパルト(Catapult)リリースに向けた技術部門の内容を確認していく。
主な概要
カタパルトの新しいバージョンとなる開発コードネームFushicho(フシチョウ:不死鳥)がリリースされた。カタパルトの新しいバージョンであるFushichoでは、ネットワークが公開鍵ではなく、IPによってサーバーを識別する機能となっている。ステートレス検証に失敗したトランザクションを送信するノードや、データのしきい値を超えるノードの禁止といったDoS対策などの機能が追加されている。テストネットでは、Fushichoバージョンを実行中だ。
また、Fusichoバージョンでのコマンドラインインターフェイスが利用可能となり、アドレスとモザイクの制限に対応する機能が追加されている。これに伴い、カタパルト用デスクトップウォレットは、Fushichoへの互換性拡張に取り組んでいる。各種ソースコードはGithubで確認することができるので、興味のある人は是非触れてみてほしい。
そして、NEM財団の技術部門はカタパルト移行委員会を支援し、最適な移行アクションプランを提供していくとのことだ。
プロトコル更新
NEMカタパルトのFushichoリリースにおいて、基本的なDoS攻撃からの保護といくつかのバグ修正がされた。これに加えて、プロトコルは公開鍵だけでなく、IPによってサーバーを識別するようになっている。
テストネット
テストネットでは、カタパルトFushichoのマイルストーンを実行中であり、テストネットで使用できるクライアントアプリケーションのベータ版作成にも取り組んでいる。
コマンドラインインターフェイスとソフトウェア開発キット
カタパルトの新しいバージョンのコマンドラインインターフェイスが利用可能となった。また、TypeScriptのSDKも更新されており、アドレスやモザイクの制限やメタデータを取得する機能などが追加された。
デスクトップウォレットの更新
NEM財団は、最新バージョンと互換性があるデスクトップウォレットのベータ版作成に取り組んでいる。内容としては、アカウント・ウォレット管理のリファクタリング、委任ハーベストの情報整理、モザイク情報の一覧表示、ネームスペースとエイリアス情報の一覧表示などの作業を進めている。
モバイルウォレットの更新
NEM財団はハティオ・イノベーションズ(Hatio Innovations)と協力し、AndroidおよびiOSと互換性のあるアプリケーションを提供している。モバイルウォレットでは、モザイク送受信モジュール、デスクトップウォレットと互換性のある階層的決定性(Hierarchy Deterministic:HD)ウォレット、QRコードでのインポートおよびエクスポート、トランザクションリクエスト(請求書)のQRコード化などの機能を提供する。
最新バージョンへの互換作業が続く
NEMのカタパルトは、最新バージョンのFushichoをリリースした。Fushichoバージョンのテストネットも実行している。加えて、カタパルトのウォレット周辺も互換性のあるものへと更新作業を進めているようだ。NEMはカタパルトで追加された機能等もあるため、今後その辺りも体感しながらウォレットのインターフェイスや機能にも触れていきたいと思う。
参考
・NEM Foundation Technology Department Update-October 2019
・v0.8.0.3: Fushicho – 02-October-2019
・nem2-cli official repository
・NEM2 desktop wallet
【こんな記事も読まれています】
・ネム(NEM)カタパルト、Elephantアップデートでハーベストの問題などを改善!
・ネム(NEM)カタパルト移行手続きQ&A:利用者は手続きに注意
・ネム(NEM)カタパルト移行委員会から、移行に向けた修正スケジュールや詳細が発表