- 南アフリカで仮想通貨が熱い4つの理由
- 南アフリカ仮想通貨取引所「Luno」のGMが、仮想通貨が同エリアで人気な理由について金融インフラ、金融リテラシー、アフリカ大陸内の取引需要、自国通貨の変動の4点を挙げ解説した。
南アフリカで仮想通貨が熱い
南アフリカ共和国は、「bitcoin」というワードでのグーグル検索で、ナイジェリアに次ぎ国別2位になるなど仮想通貨への関心が高い。
南アフリカ仮想通貨取引所最大手「Luno」のアフリカGM Marius Reitz氏がその理由をいくつか挙げた。
1. 金融インフラの確立
アフリカ大陸では貧困層により銀行口座を持てない人も多いというのが通説だが、南アフリカはアフリカ大陸の中では名目GDPがナイジェリアに次いで高く、銀行口座を持っている人が比較的多い。また、携帯電話の普及率も人口約5700万人に対し、契約件数約8200万件(2018年)と高く、金融サービス市場も概ね確立されている。
2. 金融リテラシーの高さ
Lunoが最近南アフリカを含む7つの主要市場で行なった金融リテラシーについての調査から、南アフリカやナイジェリアの人たちの方がヨーロッパよりも必要に迫られているため、お金について精通していることが分かった。Luno CEOのMarcus Swanepoel氏は「彼らが仮想通貨のような新技術がもたらす恩恵を必要とし、理解することを意味する」としている。
参考:Emerging markets are money savvy and ready for change – ‘The Future of Money’ Research
3. アフリカ大陸の国際取引
南アフリカでは、SADC(南部アフリカ開発共同体)地域に向けての大きな送金フローがあるが、その一部は手数料と煩雑さ、かかる時間が原因で非公式なものとなっている。
また、今年7月に運用段階がスタートしたアフリカ大陸自由貿易協定(AfCFTA;アフリカ連合内の単一市場創設・域内移動自由化・域内統一通貨を目標とする)により、ブロックチェーン技術への期待が高まっている。
Reitz氏は「一部の政府からはまだ抵抗があるが、私たちは常に規制当局や財政当局と協力している。私たちの経験では、当局は暗号通貨がこの分野で有用なことを認識しており、市場を賢明に規制するために積極的に取り組んでいる」としている。
4. 通貨不安
南アフリカの法定通貨「ランド」は主要通貨の中でもボラティリティが大きく、2014年以来その価値は30%下落した。自国の通貨が安定しない国では一般に仮想通貨の需要が大きいとされている。
仮想通貨・ブロックチェーン技術は、銀行口座を持たない人が多い地域で有用であるとされており、FaceBook主導の仮想通貨リブラの目標も、そのような人たちが金融サービスにアクセスできるようにすることである。
参考:仮想通貨ではなく「リブラ」が作る世界 btokyoレポート
新興市場のなかでも上記のような理由から、南アフリカなど比較的発展した地域から仮想通貨・ブロックチェーン技術の普及が進んでいくのかもしれない。