イスタンブール起動時期決定

イーサリアムの次期大型アップグレード「イスタンブール」のメインネットでの起動について、12月4日の週を目標にすることが分かった。

10月25日のコア開発者ミーティングで決定がなされ、その後開発者チャットルームで、ブロックチェーンプロトコルエンジニアのDanno Ferrin氏が、日付に従ってブロック番号を計算して提案した。現在、ブロック番号9,056,000におけるメインネットアクティブ化が予定されている。

また予期せぬ問題が発生した場合は、メインネット起動は一カ月延期され、1月8日を目標日とすることでも合意がなされた。もう一度新しいクライアントを作り、全員がそのクライアントをインストールする必要があるためであり、そのためには少なくとも4週間が必要だと見積もられたかたちだ。

前回の大型アップグレード「コンスタンティノープル」の際にも、起動48時間前に重大な脆弱性が発見されたたため、開発者達はアップグレードを一カ月遅らせたことがある。

チェーン分岐を防ぐ改善案導入

先月、テストネットワーク上で「イスタンブール」が起動する際は、予定よりも早く目標ブロックに到着したため、ノード更新が追いつかず、テストネット上でチェーンが一時的に二つに分岐してしまった。実行ブロック到達時に、ソフトウェアを最新バージョンに更新していないマイナーが残っていたことで、古いチェーンと新たなチェーンの二つに分裂が見られた。

こうした状況をメインネットで防ぐために、コア開発者は今回、EIP 2124と呼ばれる新しいコード変更を承認した。これは、ユーザーがイーサリアムネットワークで実行されているコンピューターサーバー(ノードとも呼ばれる)のソフトウェアバージョンを簡単に識別できるメカニズムを導入している。

EIP 2124は「識別子」とも呼ばれ、開発者Péter Szilágyi氏によると、「ごく小さな変更」なので他の要素との調整を必要とせずに、ソフトウェアクライアントによって展開できるという。

実装項目

今回の大型アップグレード「イスタンブール」においては、以下の六項目が実装される予定だ。

  • EIP-152: Blake2コンプレッションの追加とFプリコンパイルの起動
  • EIP-1108: alt_bn128プリコンパイルのガス代を削減
  • EIP-1344: ChainIDオペコードの追加
  • EIP-1884: トライ構造のサイズに基づいた命令コードの価格調整
  • EIP-2028: Calldataのガス代を削減
  • EIP-2200: SLOADのガス代変更に伴うSSTOREのガス代再調整

中でも賛否両論があるのはEIP 1884で、アプリ開発者向けのイーサリアムブロックチェーンについて、データをリコールする場合の計算コストを増大させる。同時に手数料の増加によって、DoS攻撃やスパム攻撃からイーサリアムネットワークを守る効果があるという。

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