- 「暗号資産」へ名称変更する金融庁の方針に業界が反発
- 金融庁は、仮想通貨を暗号資産に呼称変更する方針を示しているが、ここまで浸透している名称を変えるのは容易ではない。すでに「仮想通貨」で事業者登録している企業も多く、混乱を招くなど問題が生じる可能性も否めない。
「暗号資産」へ名称変更する金融庁の方針に業界が反発
金融庁は、G20など国際会議で主流だという理由で、「仮想通貨」を「暗号資産」に呼称変更する方針を示し、法改正を含めて検討を進めている。
しかし、ここまで一般に定着・浸透している名称を変えるのは容易ではない。すでに「仮想通貨」で事業者登録している企業も多くあることなどから、さまざまな問題が生じる可能性も否めない。
この件について、27日にJCBA(日本仮想通貨ビジネス協会)とBCCC(ブロックチェーン推進協会)の共同記者会見でも言及された。
JCBAの奥山泰全会長は、
BCCCの平野洋一郎代表理事は、
そのほか、仮想通貨業界にも精通している、弁護士の増島雅和 (@hakusansai)氏は、「電子マネーのことを誰も前払式支払手段と呼んでおらず、証券会社のことを第1種金融商品取引業者なんて呼んでいない」などと指摘。以下のように呼びかけている。
仮想通貨コミュニティのみんなで、法律改正されて「暗号資産」ってなっても引き続き「仮想通貨」と呼び続ける活動をやりたい。仮想通貨という言葉は非常に強い訴求力がある。政府はそれを嫌って名称変更させたいようだが、生活の中でなんと呼ぶか決めるのは政府じゃない、僕たち一般市民だ。
— 増島雅和/Masa_Masujima (@hakusansai) 2018年12月19日
呼称変更論が台頭した背景
仮想通貨の呼称を暗号通貨に変更する件については、今年夏以降、G20など国際的な議論の場において、“crypto-asset”(暗号資産)との表現が用いられつつあるとし、金融庁が、「国際的な動向等を踏まえれば、将来的に”暗号通貨”と呼称を統一する可能性についても十分あり得る」と言及したことがある。
ただし、上記にもある通り、「仮想通貨」という呼称がすでに一般的に認知されていることから、急に変更する場合の弊害も考えられる。取引所などの仮想通貨関連サービスや投資家の混乱をきたすことになるため、変更するとしても一定の猶予期間を設けるものと思われる。
すでに暗号資産と定義している国も
西インド諸島にあるバハマ中央銀行(CBOB)は11月7日、仮想通貨などのトークンを国際規制当局に習う形で「暗号資産」と定義し、それに関する規制枠組みに関する討議論文を公表した。
定義には、中央銀行が発行する通貨と、民間のプロダクト(ビットコインやリップル)を明確に分ける意図があるという。
バハマの副大統領は今年6月、銀行サービスへのアクセスが制限されている大多数の「島民間の金融包括の改善」を目的とした、国家による仮想通貨の導入が政策プランにあることを明かしている。
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