Bakktの動きの背景

ニューヨーク証券取引所の親会社インターコンチネンタル取引所(ICE)のCEOであるJeffrey Sprecher氏が31日、子会社であるBakktはビットコインデリバティブ商品の提供について、大手銀行やブローカーなどあらゆる種類の金融機関とやりとりしていることを明かした。

株や先物市場の最大手ICEのQ3(7月から9月)の利益について答える中で、Sprecher氏はBakktに関する質問にも回答。先物開始から約1ヶ月でビットコインオプション取引を開始することと、決済分野へ進出することに質問が及んだ。

Sprecher氏はこのことについて、ビットコインデリバティブに対する機関投資家の関心が非常に高まっていることが背景にあると説明。また規制に準拠した方法でどのように仮想通貨へ投資ができるかということを重視していると述べている。

Sprecher氏は「我々はあらゆる種類の金融機関と話をし、新しい金融商品をどこでローンチすべきか、世界の規制機関はどう感じるかといったことを見極めようとしている。非常に多くの対話がなされている」と語った。

出だしこと振るわなかったものの、最近Bakktの現物決済のビットコイン先物取引で、出来高の急騰が見られた。先月25日には日足の出来高で1025万ドル(約11億円)を記録している。

出典 : The Block

Sprecher氏によれば、先物開始からすぐにBakktがオプション取引市場に参入するのは、仮想通貨市場に透明性のある価格発見機能を1番に提供したいからだとして、現在のビットコインオプション取引市場は活発でも不透明な部分があると指摘した。Bakktのデリバティブプラットフォームは、規制に準じていないキャッシュ市場からは独立した価格発見のソースとして機能し、より高い透明性をもたらすと自信を見せた。

「そのプラットフォームをうまくオプション取引に利用し、投資家に取引を行って欲しい。透明性の高い方法で完璧なリスクヘッジができるだろう。だからこそ、オプション取引をすぐに開始することに対するプレッシャーはある」と語った。

消費者の決済領域に参入することについてSprecher氏は、ビットコインは決済手段と価値の保存手段の両方に利用されると信じていると説明。価値の保存についてビットコインは、金(ゴールド)と同様の役割を果たすとの見方を示した。

「我々は、実際の活用事例がないと、業界全体が価値を持ち、成長しないと思っている。指摘したように活用事例の1つは、決済を通して行われるデジタル上での価値の移動だと考える」と述べた。

Bakktは今週、スターバックスと提携して2020年前半に仮想通貨アプリと商業用ポータルをローンチする計画を発表。それに先立って12月9日に先物取引を基にした規制準拠の初のビットコインオプション取引を開始することも発表している。

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