- アラブ首長国連邦で、仮想通貨市場への「機関投資家の大規模な参入が見込まれる」
- 英大手コンサルCEOが、「UAEで仮想通貨に対する需要が急速に拡大する準備が整った」と題する論説で、主に機関投資家からの投資流入により、ドバイをはじめUAE全土で仮想通貨業界がさらなる成長が見込まれると発言した。
アラブ首長国連邦で、仮想通貨市場への「機関投資家の大規模な参入が見込まれる」
deVere Groupの創設者兼CEOであるNigel Green氏が、「UAEで仮想通貨に対する需要が急速に拡大する準備が整った」と題する論説で、主に機関投資家からの投資流入により、ドバイをはじめUAE全土で仮想通貨業界がさらなる成長が見込まれると発言したことがわかった。アラブ首長国連邦(UAE)最大の都市ドバイので最も古い歴史ある英字新聞Khaleej Times紙が寄稿内容を掲載した。
100億ドル(約1兆1000万円)の資産を管理・運用する投資顧問企業大手deVere Groupの創設者兼CEOで、仮想通貨の将来に対する大きな信頼を積極的に発信する一人だ。
Green氏によると、UAEは「2億1000万ドル(約229億円)相当の仮想通貨取引」を行う強力な「仮想通貨普及の最前線」となっており、2019年には仮想通貨のトランザクション数で世界上位の国々の仲間入りを果たしたという。
また、同氏はUAEの金融自由地域であるドバイ国際金融センター(DIFC)が、同国内での仮想通貨の採用、及びフィンテック企業向けの機会に関するホワイトペーパーの紹介も行うなど、積極的な取り組みを行っていることに触れた。
DIFCは、UAE憲法に基づく独立した管轄区域で、独自の民法および商法を持っており、銀行業務をはじめ資産管理や資本市場など金融に関する6つのセクターには税の優遇措置などが設けられている。
そのため、世界の主要フィンテック企業が望ましいビジネス拠点として選択するようになり、DIFCに登録されたフィンテック企業数は昨年末から3倍に増え100社を超えたという。
さらに、Green氏は仮想通貨市場における取引活動の増加は、機関投資家の参入によるものが大きいと見ており、今年末から2020年にかけて、機関投資家が「傍観者から脱却する準備をしている」という印象が高まってきていると主張している。
仮想通貨の将来に期待を寄せる理由として、「ボーダーレスである」という利点が、ビジネスや貿易そして一般個人にとって理想的であり、世界で進行するデジタル化の波と合致している点をあげた。そして現在、UAEおよび世界中で、より多く見られる現象(=仮想通貨取引の活発化)は「仮想通貨がお金の現在であり未来であるという認識」が高まってきていることの表れだと結んでいる。
UAEはブロックチェーンのスタートアップ企業が多く集まり、その資金調達額も2019年第1四半期には世界最大の2億1000万ドルに達するなど、ブロックチェーン関連産業が盛んな地域である。この状況に対応するため、現在、規制を明確化するための暗号資産法案が審議されているが、法整備が整うことで、Green氏が投資環境を通して感じている仮想通貨の機運の高まりが現実に結びついていくかもしれない。