
バックト(Bakkt)は現在「バックト・ペイ(Bakkt Pay)」と仮称される、消費者がデジタル資産で商品を購入するための、新しいアプリケーション開発を進めています。このアプリケーションでは、ビットコイン(BTC)以外の暗号資産(仮想通貨)もサポートされる予定です。
アプリ開発とオプション取引の二枚看板
アメリカのインターコンチネンタル取引所(ICE)が2018年8月に設立したビットコインの先物取引契約会社のBakktは、現在個人投資家用の消費者向けアプリケーションを開発中であることを発表しています。この「Bakkt Pay」と呼ばれるアプリケーションによってサービスエリアを拡張し、すでに先物取引で同社を利用している機関投資家以外にも、個人投資家を呼び込む狙いがあるようです。
Bakktはこの開発作業を2019年になってから開始しましたが、当初は計画通りには行かず、満足できる結果も得られませんでした。しかし、2019年11月8日には1,570万ドル(約17億2,700万円)という同社にとって過去最高の取引記録を更新しています。この「Bakkt Pay」が投入されれば、取引総額は一段と増加すると予想されます。
またアプリのローンチ以前に2019年12月9日にはオプション取引のローンチも控えています。11月12日から13日の2日間、シンガポールで行われたコインマーケットキャップ(CoinmarketCap)が主催のザ・キャピタル(The Capital)において、ICEアジア太平洋地区責任者であるジェニファー・イルキウ(Jenifer Ilkiw)氏は「規制されたインフラ上で、機関投資家がエンドツーエンド(E2E)でのデジタル資産取引をできるようにする」と語っています。
“We’re enabling institutional investors to trade digital assets on end-to-end regulated infrastructure”
–Jennifer Ilkiw on the launch of Bakkt Bitcoin Futures & Options, @CoinMarketCap Singapore #TheCapital pic.twitter.com/gaWlThJazw
— Bakkt (@Bakkt) November 13, 2019
Bakkt Payの仕組み
Bakktはまた、スターバックス(Starbucks)や複数の仮想通貨支払いプロバイダーとの間で、パートナーシップを結んだことと、「Bakkt Pay」が2020年の第1または第2四半期にローンチする予定であることも発表しています。このアプリケーションは個人投資家が投資をするためと、仮想通貨でオンライン上の商品を購入するためにデザインされているようです。
なお、スターバックスがビットコインによる決済を受け入れたとされていますが、Bakktによると、消費者はビットコインと法定通貨間での取引や変換のみ可能となっており、実際の決済時には、スターバックスへの商品代金は法定通貨で支払われます。つまり、コーヒーを買った消費者が支払うビットコインは、Bakktのソフトウェアを通して自動的に法定通貨に変換され、スターバックスに支払われるという仕組みです。
スターバックスがビットコイン先物取引プラットフォームであるBakktと提携を結ぶこととしたのは、このシステムの将来性を見越した結果なのでしょう。
参考
・Bakkt Plans to Widen Its Services with Consumer App
・The Capital
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