ビットコイン(BTC)市況
依然瀬戸際にあるBTC市場。香港情勢をめぐり米中対立が再び先鋭化する中、試金石となるCanaanの米NASDAQ上場は日本時間23:30を予定。公募価格を上回るかどうかを含め、初値とセカンダリーに関心集まる。

仮想通貨市況

日経平均株価が140円近く急落した。その背景には、香港情勢の悪化に伴い、米議会が「香港人権・民主主義法案」を可決したことにある。

これは、香港での人権尊重と民主主義確立支援の法案になるものだ。香港では、デモ隊と警官隊とで火炎瓶や催涙弾が飛び交うなど激しい衝突が続いており、17日には20代邦人男性が逮捕されるなど混迷を深めている。

米トランプ大統は、「自由への弾圧は(他国であろうと)看過できない」と明確なメッセージを掲げた格好だが、中国は強く反発。法案が正式に成立した場合、報復措置を取ると牽制している。

マイニング企業、米NASDAQ市場IPO上場間近

国際金融市場が米中対立の緊張で揺れる中、新規株式上場(IPO)を申請したCanaan Creativeは、SEC(米国証券取引委員会)の承認を得て、11月20日9:30(日本時間23:30)に、米NASDAQ上場を確定している。

Canaan Creativeは、仮想通貨を採掘(マイニング)するための機材であるマイニングリグを製造しており、マイニングマシン市場の世界シェアで23.3%を誇る企業であり、今回の注目点は、米株式市場が仮想通貨マイニング関連企業の事業価値および企業の将来性に対してどのようなジャッジを下すかという点である。

SECに提出された初期公募(IPO)目標価格は、近年の仮想通貨市況の悪化に伴い、IPO申請時の4億ドル(430億円)から大幅に引き下げ、1億ドル(108億円)に更新されている。

Canaanは、1株あたり9ドル〜11ドルでの資金調達を目指しており、時価総額1,630億円を見込む。同社の2018年純利益830万ドルに対し、2019年第3四半期は、マイニング業界復活に伴い1300万ドルの利益を計上。四半期売上高は9,700万ドルで、前年同期比40%増加するなど、ビットコイン(BTC)価格が低迷する中、少なくとも仮想通貨マイニング市場においては、昨年よりも事態好転していることがうかがえる。

世界最大のマイニング企業BitmainもIPO申請を行なっており、今回この試金石となることから、Canaan上場当日に「公募価格」を上回る初値、および時価総額を付けるかどうか、また、初値形成後の”セカンダリーマーケット”動向にも注目したい。

機関投資家向けの新たな投資信託も

また、米ブルームバーグによれば、米商業銀行Galaxy Digital社のCEOマイケル・ノボグラッツ氏は19日、適格投資家と機関投資家向けに、2種類のビットコイン(BTC)投資信託「Galaxy Bitcoin Fund」と「Galaxy Institutional Bitcoin Fund」のローンチを発表した。

ターゲットにするのは、50〜80代の富裕層で、米国の”富”を仮想通貨市場へ回すことが目的の一つにあるとしている。

ビットコイン(BTC)市況

仮想通貨ビットコイン(BTC)は、前日比0.64%安の88.4万円と横ばいで推移。

心理的節目かつ日足下限の8,000ドルで反発を見せているものの、急勾配で転落し続けた結果、約2週間前まで意識されていた1D200MA(現在9,380ドル付近)と遥か上方に。

5,7月に80%近くまで過熱した週足RSIも再び50%を割り込んでおり、大衆心理も下に傾きかけているため、トレンドフォローでショートを握るにしても、断続的に発生している大きめのショートカバーには引き続き警戒が必要だろう。直近の値動きでは4h25MAに頭を押さえつけられるようにして叩き落とされており、トレンドライン(青)を抜け、8,500ドル上に回帰したいところか。続落した場合は、7,800ドル付近、直近最安値の7,300ドル付近が意識されそうだ。

イーサリアム分析やファンダメンタルズ分析を含めた詳しい相場考察については、仮想通貨の著名トレーダー「タキオン」氏の寄稿記事を参考にされたい。

今後のBTC市場の展望は?|仮想通貨市況(タキオン)

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