中国は上海を拠点とする調査・コンサルティング会社のヒューロン・レポート（Hurun Report）が、グローバルユニコーンリストを発表しました。ユニコーン企業とは未上場でありながら時価総額が1,000億円を超える企業のことを指します。
同リストには暗号通貨・ブロックチェーン関連のユニコーン企業が11社が含まれています。本コラムでは、この業界にどのようなユニコーン企業が存在するかを概観します。
マイニング関連や取引所が上位に
ビットメイン（Bitmain）
BitmainはマイニングをするためのAISCの製造販売と自己でのマイニングを主力事業としています。公開されている最も直近での資金調達での評価額は120億ドル（約1兆3,000億円）ですが、その後の経営状況は2018年以降のビットコイン価格下落により厳しいものになっているという見方もあります。
コインベース（Coinbase）
Cinbaseは、米国最大の取引所企業です。80億ドルの時価総額で、これまでアンドリーセン・ホロウィッツ（Andreessen Horowitz）、グレイロック・パートナーズ（Greylock Partners）、Yコンビネータ（Y Combinator）などが投資をしています。現在、Coinbaseのサービスは30カ国以上で利用できます。
リップル・ラボ（Ripple Labs）
Ripple Labsは、送金事業を行う企業です。創業から現在までの主要なビジネスはXRPの販売です。
サークル・インターネット・ファイナンシャル（Circle Internet Financial）
Circleは創業当初P2Pの送金アプリを開発していましたが、その後、暗号通貨にピボットをした企業です。傘下には取引所のポロ二エックス（Poloniex）も存在していましたが、最近スピンアウトをしています。
カナン・クリエイティブ(Canaan Creative)
Canaanは2013年創業のビットコインマイニングのASICを販売する企業です。長らくBitmainに次ぐ第二位業者として同市場で存在感のある事業者で、2019年中に米国でIPOを申請する予定としています。
バイナンスやEOSのブロック・ワンも
バイナンス（Binance）
Binanceは世界最大の取引所です。シンガポールの政府系ファンドなどから2018年に投資の受け入れしています。
ブロック・ワン（Block.One）
Block.Oneはイオス（EOS）の開発会社です。40億ドルを販売したEOSトークンのイニシャル・コイン・オファリング（ICO）の収益を運用しながら、EOSのエコシステムに貢献する企業に投資を実行しています。
ディフィニティ(Dfinity)
Dfinityは分散型クラウドを実現する新世代のスマートコントラクトプラットフォームです。Hurun ReportではDfinityの評価額は20億ドル程度になっているだろうと見積もりされています。
イーバン（Ebang）
EbangはASICの販売会社で、BitmainとCannanに続く第三位です。レポートによると、15億ドルの評価額を得ています。
ビットフューリィ（BitFury）
Bitfuryはマイニングプールの運営、自己マイニング、ブロックチェーン分析ツールの提供など多様な事業を行う企業です。同社の評価額は10億ドルです。
リキッド・グローバル（Liquid Global）
Liquid Global は2014年に創業された取引所です。日本国内とシンガポールベースでグローバル向けの取引所を分離して運営しています。
以上、いかがだったでしょうか。ほとんどがマイニングのASICを開発・販売する企業と取引所ということが分かります。今後、これらの企業がどのような展開を見せていくかは要注目でしょう。
参考
・Hurun Global Unicorn List 2019
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