
Twitterは非アクティブなアカウントに対する削除について、当面実施しないことを発表しました。これには故人のアカウントを削除することに対する反発があったことから、再考を余儀なくされたためです。ビットコイン(BTC)コミュニティの一部でも激しい反応があり、特に大きかったのは、ビットコイン先駆者の一人である故ハル・フィニー(Hal Finney)氏のアカウントに関するものでした。
Twitterのアカウント一斉削除計画への批判
Twitterはネットワーク中に存在する非アクティブなアカウントを一斉削除すると発表しました。英国放送協会(BBC)のニュースによると、2019年12月11日時点で6ヶ月間ログインがされていないアカウントが対象になる計画でした。削除理由として、サインインしない、もしくはできないユーザーが更新された利用規約やプライバシーポリシーなどに同意できないことを挙げています。
しかし、この発表に対して、既に亡くなってしまったユーザーのアカウントは残すべきだという批判が相次いでいます。Twitterにはアカウントを保存するシステムがないため、削除が実行されると重要な投稿が永久に失われることになります。
今回のアカウント削除計画に、ビットコインコミュニティからも反発がありました。その理由として、削除基準の中に最初期のビットコイナーであるハル・フィニー氏のアカウントが該当すると考えられたためです。フィニー氏は、2008年にビットコインのホワイトペーパーへのフィードバックを誰よりも先に提供し、最初にビットコインのトランザクションを発生させた人物です。
ビットコインの歴史で重要なアカウント
開発者として強い影響力を持ち、尊敬されていたフィニー氏ですが、2014年に亡くなっており、当然今後Twitterにサインインすることはありません。サトシ・ナカモトが初めてビットコインをリリースした数時間後、フィニー氏が投稿したツイートは今や伝説となっています。
Running bitcoin
— halfin (@halfin) January 11, 2009
ビットコインの歴史における重要な出来事を消し去るようなTwitterの計画は、ビットコインのコミュニティにおいては、ほぼ満場一致で否定されています。このような故人への配慮もあり、Twitterはアカウントの削除に対して、より慎重な方法を採ることを発表しています。
Twitterは公式ツイートで、「故人のアカウントに関する問題がいかに皆さんに衝撃を与えるのかを、我々はもっと考慮すべきでした。今後アカウントの保存について有効な方法が見つかるまで、いかなる非アクティブなアカウントも削除することはありません」と説明しました。結果として、ハル・フィニー氏やその他重要な故人のアカウントが、突然削除される可能性はなくなっています。
Twitterの最高経営責任者(CEO)であるジャック・ドーシー(Jack Dorsey)氏は、暗号資産(仮想通貨)やブロックチェーンだけではなく、ビットコインについても支持する姿勢を見せています。このような背景も考えると、仮想通貨の歴史において重要とされる部分を削除する可能性があるといった事柄に対して、計画を見直すという判断を迅速に行うのは、あまり驚くべきことではないのかもしれません。
参考
・Bitcoin Pioneers’ Account Won’t Disappear, Confirms Twitter
・Twitter prepares for huge cull of inactive users
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