チャート分析には何が必要?:初心者のための仮想通貨トレード日記vol.3

※本記事はとあるコインチョイス編集部員が身をもって仮想通貨FXトレードを実践・検証していくシリーズです。また、記事内には海外取引所の取り扱いがありますが、利用を促すものではありません。

前回のあらすじ:リスク管理を徹底

前回はリスク管理のお話でしたが、個人的な見解として、次のことを最低限意識しておかなければいけないと思っています。

  • リスク管理の方法と考え方
  • 価格を予想する手法と材料
  • メンタル力

ここまで10万円程度を溶かしていますが、読者の皆様としては「大したことない」と思われるかもしれません。しかし、額よりも「失った」ということに対するメンタルへのダメージは生まれています。それが積み重なると、ダメージを帳消しにするための「ロスカットからのリベンジトレード」を行ったり、ポジションを取れなくなったりという状況に陥ってしまいます。

※リベンジトレード:致命的にやってはいけないトレードの一つです。ロスカットや損切りで負けてしまい、その損を取り戻すべく、根拠のないポジション取りやレバレッジを更に上げてトレードしてしまうことを指します。大体の人は損を膨らませることのではないでしょうか。取り戻せたとしても、まぐれに近いです。

リスク管理については、このようなメンタルダメージを発生させない方法のひとつですね。そしてもう一つが、OIのようなさまざまな材料で「値動き予測の精度を上げる」ということが挙げられます。そこで、最後の準備として、「チャートやインジケーター」に関するお話をしたいと思います。

チャートを見る理由

初心者の場合、正直チャートを見ても何も分かりません。ローソク足の形状による値動きシグナル、フラクタルやエリオット波動論といった分析手法、ヘッドアンドショルダー(三尊)のようなチャートパターンなど、これらを根拠に挙げられたとして、「そうなんだ」で終わってしまうでしょう。

ただし、その情報がある場合と無い場合を想定してみると、ある場合の方が判断しやすくなるはずです。チャートを見る理由は、そのように「自分が取ったポジションに対する判断材料」を集めるためです。

下記の画像は2019年7月24日のビットコインのチャートです。振り返ってみると19日から23日にかけて、ヘッドアンドショルダーのような形になっています。このとき、21日付近の最高値である11,000ドルからショートポジションを取ったとします。それでは出口はどこになるのでしょうか?

過去のチャートパターン

単純に考えれば黄色矢印の動きの通り、10,500ドル辺りでしょうか。確かにその時点の最大利益を取る方法であり、間違いではありません。

しかし、19日から21日の動きで「もしかして、ヘッドアンドショルダーになるかもしれない」と考えられれば、その奥に更に大きい利益があるかもしれないと考えることができました。つまり、より多くの利益を求めるならば青い丸で囲った箇所である9,500ドル付近で、上がり始めた動きを察知してポジション解消できればよかったですね。リスク管理の面では早めの利確というのもひとつの正解ですが、知識不足が故に少ない利益で終わってしまったという、少し残念な結果になってしまっています。

逆にヘッドアンドショルダーの形にならない方向性になったとしても、ポジションを取った同価格付近で撤退し、また価格予測を立てられる状態になったところで再チャレンジすれば良いだけです。

このように、チャートから情報を拾えるか拾えないかで、大きく勝負は変わります。そして、その補助をしてくれるのが「インジケーター」と、TradingViewで配布されている「ストラテジー」のようなテクニカル指標になります。

テクニカル指標は絶対ではない

インジケーターはレートデータを収集して作られた売買指標のことです。「テクニカル指標」とも呼ばれます。そして、ストラテジーとはTradingView独自の機能です。Pineというプログラム言語を使って、取引の判断をオリジナルで指標化したものです。中には有名トレーダーの思考を模したものもあり、ストラテジーを使うメリットとしては「この状況で買い(売り)注文を出すのだな」と参考にできるところです。

ここで理解しておきたいのが、「効果的と言われるインジケーターでも絶対ではない」ということです。インジケーターで有名な「200日移動平均線」や「MACD」を使ったから勝てるようになるわけではありません。また優秀なストラテジーの通りにトレードしたから勝てるというものでもないです。どちらも判断材料の一つであり、OI・チャートパターンなどのさまざまな情報と合わせ、自力の予測を立てられるようにならなければ、常にギャンブルのままです。

例えば、インジケーターの移動平均線で有名なシグナルとして「ゴールデンクロス」もしくは「デッドクロス」があります。詳細は下記にて記載されていますが、これも重要な判断材料です。

関連記事:ビットコイン(BTC)のゴールデンクロスは買いサインか?

ただし、関連記事の文中にもありますが、「ゴールデンクロスが出たから買い注文を入れる」という思考はよくありません。このときのOIの溜まり方はどうか、チャートも本当にこのまま上がり続けていく形なのか、などさまざまな視点から予測を立てて、より良いポジション取りと予測精度の上昇を考えていきましょう。

勉強の結果はいかに

損失を膨らましてからはトレードをお休みしてました。知識もなく100倍レバレッジのリベンジトレードを繰り返していたばかりで、一向に勝てる気配がなかったからです。

そんな中、3,000円というお遊びレベルですが、勉強したアウトプットのために久々にポジション取りをしました。2019年11月25日のことです。この時はOIも溜まっており、そして21日からの下がり具合から「逆三尊」の可能性を考えて、オレンジ丸の箇所6,750ドルから50倍でロングポジションを取りました。

ポジション取り時チャート

このときは、価格がずっと下がってきているから、ショートが溜まっているという考えで、念のために跳ね返ってきたのを確認して拾っています。10,000ドル以上の価格帯だった6月から9月辺りに比べると極端に落ちていたので、どう考えても一旦の底だと思ってもおかしくはなかったですね。

実のところ、投稿現在もこのロングポジションを持ち続けています。7,700ドル辺りで利確しようかとも悩んだのですが、欲が出て持ち続けてしまったという始末。これまで損切りやロスカットが多く、利益を失いたくないという気持ちから、再度ポジションを取り直すのが怖いというのは、今後の課題になりそうです。

もう少し大きな短期の上昇トレンドになるかもと考えていたのですが、結局すぐに下降方向に戻ってしまっていますね。BTC情報アラートから配信されるOIの様子と、Bitfinexのロングポジションが異常な数値になっていることから、この価格帯で積み重なっているのはロングだろうと推測しています。素直に考えるとショートポジションに持ち替えたいですね。

ただ、少し引っかかっているのが「このロングたちはどこを出口とするのか」といった点です。ここから大量のロングをすぐに焼き切るために、売り浴びせを行う大口がいるのかどうかということにも疑問があります。また何かの要因で価格上昇を見越しているのならば、同じようにロングを持っていても損はないかもしれないという希望的観測もあります。

「かもしれない」と期待するのは非常に良くないのですが、今回は比較的底の価格帯からポジションを取れたこともあり、7,000ドルを切るような状態にならない限りはもう少し静観したいといった気持ちです。

【これまでの損益:約-10万円】

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【トレード日記シリーズ】
仮想通貨は本当に稼げるのか:初心者のためのトレード日記vol.0
OI(未決済建玉)ってなに?:初心者のための仮想通貨トレード日記vol.1
低リスクでポジションを持つ取引方法は?:初心者のための仮想通貨トレード日記vol.2
・チャート分析には何が必要?:初心者のための仮想通貨トレード日記vol.3

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