
価格下落によるマイナーへの影響
2019年においてほとんどのマイナーは、利益が見込めない市場価格に苦しみながらもマイニングを続けました。彼らは2020年に予定されている半減期を前に、現在のマイニング報酬として設定されている12.5BTCを得るチャンスに賭け、より競争力を高める努力をする道を選んだのです。
振り返ってみると、マイニングが続けられる中で、ビットコインの価格がマイニングの損益分岐点を下回った時期が2回ありました。ひとつは2018年11月頃から2019年4月頃まで続いたもので、もう一つは2019年9月頃から現在に至るまでの期間です。
Bitcoin miners are hurting.
The last 12 months has been the least profitable in all of the prior 5 years to be a Bitcoin miner.
There's blood on the streets.
… stay tuned … pic.twitter.com/zFXBabhLcp
— Charles Edwards (@caprioleio) December 12, 2019
ただし以前からマイニングを始め、価格が低かった時代に貯蓄していたマイナーも一部いる可能性もあり、損益分岐点を割ったからマイニングが止まるというわけではありません。しかし、半減期によって、マイナーの活動も限界に近づくかもしれません。
現在マイナーは先物取引市場にも参入しており、スポット取引やOTC取引(店頭取引)で、マイニングでの損失を取り戻そうとしています。今後オプション取引が可能になれば、リスクヘッジに走るマイナーが出るかもしれません。
予測が難しい損益分岐点のゆくえ
ビットコインネットワークのハッシュレートは、連日激しく変動を続けています。中国のマイニングプールであるプーリン(Poolin)やF2Poolが、依然として存在感を誇っています。ただし、BITMAIN社の機器「S9 ASICS」を使って事業を存続している古参のマイニング業者も、ビットコインの価格に対して、よりコストを抑えながらマイニングを続けています。一時期はDMM.comやGMOグループなどによる日本企業のマイニング事業参入もありましたが、価格低迷によって採算が合わないことから、計画見直しや事業停止せざるを得ませんでした。
マイニングの損益分岐点に関しては、統一的な見解はないものの、現在の損失から見積もった場合、7,000~8,000ドル(約77万円~88万円)の価格帯が損益分岐点と考えられています。
しかし、より安価な電力を使えば、マイニングコストを抑えることは可能です。例えば、1キロワット(KWh)あたりの電気代が0.05ドル(約5.5円)程度なら、損益分岐点は格段と低くなります。これにより、水力発電を使っている中国においては3,500ドル(約385,000円)付近を損益分岐点としている可能性もあります。
価格は損益分岐点に寄る傾向
歴史的に見ると、時期に関わらずビットコインの価格は、マイニングの損益分岐点に近づく傾向があります。ビットコインが最高値を記録した2017年12月と比較すると、現価格は7,200ドル(約792,000円)前後で推移しているにも関わらず、ハッシュレートは15~20倍にまで上昇しています。
FYI. $6,000 is the fully loaded breakeven cost for btc mining (if the miner’s cost of electricity is $0.06/kWh) per @fundstratQuant. In 2014/2015, the fully loaded breakeven cost for BTC was $190-$200 and BTC bottomed at $180 or 1x mining cost
— Thomas Lee (@fundstrat) September 14, 2018
ハッシュレートが上昇した場合、マイニングで採算を取るためには、ビットコインの価格が値上がりするか、マイニングの難易度が下がる必要があります。しかし、現在はどちらの条件も、マイナーにとっては向かい風の状態です。2020年の5月頃とされる半減期を迎えた時、報酬が半分になった状態でもマイニングが続けられる可能性があるのか、損益分岐点がどこに向かうのか、それは未だ見通しがつきません。
参考
・BITCOIN MINING EXPERIENCES WORST YEAR IN HALF A DECADE
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