
2020年の暗号資産(仮想通貨)業界で際立った話題の1つは、ビットコイン(BTC)の半減期が 5月にやってくることでしょう。アナリストは今、ビットコインが半減期を迎えるとどのような影響を及ぼすか大きな関心を示しています。一部のアナリストは、それは強気相場を呼び込むと予測しますが、別のアナリストはそのようには予想できず、むしろ弱気市場を招くと見ており、業界の見方は真っ二つに割れています。
半減期後のビットコイン需給経済モデルに影響、価格は上昇予測
4年に1度、今回で3回目となる半減期によって、周知のようにブロック当たりに割り当てられるBTCは50%削減され、マイニング(採掘)の報酬は12.5BTCから6.25BTCと半分になります。半減期によって、BTCのインフレ率は1.8%にまで低くなります。これは米連邦準備制度(FRB)のインフレ目標2%より低い値です。さてその影響はどうなるでしょうか?
アトランタ・デジタル・カレンシー・ファンド(Altana Digital Currency Fund)のエコノミストであるアリステア・ミルン(Alistair Milne)氏は2019年12月下旬ツイッターに「半減期を迎えた後、新たに採掘されるBTCの50%は、グレースケール・インベストメンツ(Grayscale Investmets)とスクエア(Aquare)の2社の顧客の購入によって吸収されてしまうと予測しています。その結果、3000万のコインベース(Coinbase)の顧客、ロビンフッド(RobinHood)やイートロ(eTro)などを利用して購入している人は無視されてしまう」と投稿しています。
半減期後に需要が続くか伸びると仮定すれば、ビットコインの需給経済は供給不足のマイナスの影響を及ぼし、ビットコイン価格をかなりの時間にわたり押し上げる結果をもたすはずです。
ビットコイン時価総額予測は1兆ドルからほぼ影響なしの見方まで混在
ビットコインの価格予測ツール「ストック対フローモデル」を作成したPlanBの分析によると、ビットコインの価格は、半減期後1兆ドルを超え、1BTC当たり価格は5万ドル(約540万円)になるとされています。
半減期がビットコインの価格に影響するかどうかの論争は、真っ二つに割れています。前述のPlanBは19年初頭、ビットコインの市場価格は仮想通貨の「ストック対フロー」率によって明確に決定づけられるとの議論を展開しました。この比率が高いほど、その商品が不足しBTCの価値が高まるという理論です。
ビットコイン価格10万ドルと主張するポンプリアーノ氏
一方、デジタル資産ファンドのモルガン・クリーク・デジタル(Morgan Creek Digital)の共同創業者であるジェイソン・ウィリアムズ(Jason Williams)氏は中立もしくは弱気サイドの見方を代表して19年12月、「2020年5月のビットコイン半減期は、価格に何ら影響を及ぼさないだろう」とツイッターに投稿しています。
同様な意見としてビットメイン(Bitmain)の共同創業者であるジハン・ウー(Jihan Wu)氏は19年10月、ビットコインの半減期後に強気相場は到来しないだろうと述べています。
弱気の見方をするウィリアムズ氏のパートナーであるアンソニー・ポンプリアーノ(Anthony Pompliano)氏は8月、ビットコインの値上がりを予測し、半減期は仮想通貨がこれまで以上のけん引力を持つ事象になるだろうと語りました。同氏はビットコイン価格が21年12月までに、10万ドルに達するとの見方を繰り返し強調しています。半減期を迎える市場は、どちらの方向に傾くでしょうか?
参考
・Four Months Out: What Do Analysts Think of the Bitcoin Halving Effect on Price?
・Industry Investor: Bitcoin Halving May Not Push Prices Higher
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