ブロックチェーン業界で聞くWeb3.0のビジョンとは何か、実現するハードルとは?

以下のブログは、Web3にフォーカスをするアクセラレータのL4の共同創業者であるジョッシュ・スターク(Josh Stark)氏の記事です。ブロックチェーン業界で広く聞かれるWeb3.0という言葉を、理解するために役立ちます。

参照:Making Sense of Web 3

前提として、Web3.0という単語は概念のようなもので、明確に定義されるものではないです。マーケティング用語でもあり、ムーブメントであるとも言えます。

しかし、それでもWeb3.0というビジョンをもとに、多くの起業家や開発者が手を動かし、実現したい世界のために研究開発が世界各地で行われています。本コラムでは、web3.0というビジョンについて概観します。

Web3.0とは何か

Web3.0というビジョンとはなにか。一言で言うならば、より分散的なインターネットを目指す活動であると言えます。今日、私たちが使っているインターネットは、手で数えることの出来るくらいの企業が多くの情報を持っています。例えば、Googleはインターネット全体の検索トラフィックの70%のシェアを持ち、Facebookは20億以上のユーザーアカウントを保持しその個人情報を持っています。

そうした個人情報を広告のマネタイズに変えることは近代で最も成功したビジネスモデルであり、GoogleとFacebookは、デジタル広告の売上の約半分のシェアを持っています。

こういったウェブ上でさまざまなアプリケーションを利用できたり、個人が情報発信できたりするムーブメントをWeb2.0と呼んでいました。Web3.0は、その先にある新しいウェブの形です。

Web3.0が実現する世界では、ユーザーは個人情報を自分で管理をしサービス提供者は必要なときにアクセスをします。アプリケーションはユーザーによってガバナンスされ、中央集権的にアップデートが決定されることを好みません。

また、その世界ではインターネットネイティブなお金(BTC、ETHなど)も存在し、それにより新しいビジネスモデルも考案されると期待されます。

つまり、今の中央集権に過度に依存し、その中央集権的企業が不正を行わないことを信じなければならないウェブのアーキテクチャーは変わるべきであるというムーブメントです。

Web3.0を実現をするためのハードル

前述のブログでは、Web3.0の実現のためのハードルとして下記のようなものがあるとしています。

  • 起業家が分散型アプリを立ち上げるモチベーションはなにか?どのようにリターンを得るのか?
  • 分散型アプリは、本当に中央集権型のそれより価値があるか?
  • 暗号システムがベースにあるアイデンティティ管理で、ユーザーは秘密鍵をどのように管理するのか?
  • 分散型アプリの使用コストは中央集権のそれより高くつく可能性がある。
  • アプリケーションの全てに書き換えが困難なスマートコントラクトのコードを用いることに合理性はあるのか?
  • 分散型のアプリケーションのガバナンスはどのように決定されるのか?
  • そもそもプライバシーへの問題意識を持っている人、データの管理を個人が行うべきだと考えている人はどれくらいいるのか?Web3のビジョンが実現できたとしても、それはニッチな需要な可能性がある。
  • 政府や規制機関は対検閲性を持つ分散型アプリケーションにどのような反応を示すのか?
  • アプリケーションのベースとなるレイヤー(EthereumやEOSなど)は何十億というユーザーにスケールが可能なのか?

これらのWeb3.0を実現するためのハードルのリストは、おおよそブロックチェーンに関する問題点の大部分が網羅されています。これら問題に対するソリューションが求めらていると同時に、そこにはビジネスチャンスもあり、多くのスタートアップがすでに取り組んでいます。

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