シンガポール金融管理局が仮想通貨を含む決済サービスの新たな規制枠組みを発表

シンガポール金融管理局(Monetary Authority of Singapore:MAS)は11月19日、同国における仮想通貨を含む決済サービスの規制に関する法案が完成したことを発表した。また同法案は議会に提出された。

仮想通貨のサービス提供者はライセンスが必要に

MASが提出した「決済サービス法案(The Payment Services Bill)」は、決済システムの発展を促進させ、決済における新たなリスクを軽減することを目的としている。

法律に関する地元メディアの「Singapore Law Watch」によると、今回の法案には、口座や電子マネーの発行、シンガポール国内外への送金、ビットコイン(BTC)などの仮想通貨の取引や交換も規制の対象になるという。

現在の両替・送金業法と決済システム法において仮想通貨はMASの管轄外となっており、今回の法案では、仮想通貨の決済サービスの提供者はライセンスの申請が必要となるという。

規制でデジタル決済に対する信頼を

ライセンスは3種類に分かれており、決済サービスを提供する事業者の規模と業態に合わせた申請を行う必要がある。1つ目は交換業ライセンスで、マネーロンダリングとテロ組織への資金提供リスクの軽減に関する規制を受けることになる。

月平均で300万ドル(約3億1,000万円)以上の取引を行うなど一定の基準値を下回る事業者は、標準決済機関ライセンスを申請する必要があり、基準値を上回る取引がある事業者は主要決済機関のライセンスが適用され、より包括的な規制の対象となる。

MASのマネージングディレクターであるラヴィ・メノン氏(Ravi Menon)は、「決済サービス法案は、シンガポール国内における決済に関する規制枠組みを強め、消費者保護を強化しデジタル決済に対する信頼を生むことになる」とのコメントを発表した。

またMASは、決済サービス法案が施行された際に、新しい規制への移行期間としてデジタルトークンの決済サービスを提供する事業者には6カ月の猶予期間を与え、その他の決済サービス事業者には12カ月の猶予を与える予定。

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参考
Monetary Authority of Singapore

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