株取引や投資信託を始める場合、できるだけ手数料が安い証券会社を選びたいものです。
この記事では、LINE証券の手数料に着目し、LINE証券でかかる手数料の種類や金額、他の証券会社と比較するとどんな点が違うのかについて、まとめて紹介します。
LINE証券とは
LINE証券は、LINE Financial 株式会社と野村ホールディングスが出資して、2019年6月24日にLINE証券株式会社として設立した証券会社です。
野村ホールディングスは、1925年(大正14年)12月に設立されたグローバル金融サービス・グループで、LINE証券は、野村ホールディングスの90年以上グローバル金融機関として培った経験や知識と、LINEが提供するプラットフォームを利用することで、はじめての方でも気軽に投資ができるサービスを提供しています。
証券会社での株取引には手数料がかかる
LINE証券をはじめとする証券会社で株の売買を行うときには、手数料がかかります。
株取引には、自己資産で行う「現物取引」と証券会社に担保を差し入れ、証券会社から金銭などを借りて取引を行う「信用取引」があります。
現物取引は、自分が所有している資産内で株の売買を行いますが、信用取引は担保を差し入れた金額以上の取引を行うことができるものです。株取引に必要な手数料は証券会社によって異なりますが、現物取引を行うのか、信用取引を行うのかによっても手数料が異なります。
手数料には、1回の取引(1約定)の金額で決まる「約定ごと」で決められている場合と、1日の取引金額の合計で手数料が決まる「1日定額制」があります。
料金プランを選べる証券会社の場合は、1日の取引回数が少ない方は、「約定ごと」を選び、1日の取引回数が多い場合は1日定額制を選ぶと良いでしょう。
LINE証券でかかる手数料の種類
LINE証券は、「現物取引の買付手数料」、「信用取引の売買手数料」、「投資信託の購入手数料」はすべて無料となっています。LINE証券でかかる手数料は以下の通りです。
※手数料については2020年10月時点のLINE証券公式サイトの情報を参照しています。
LINE証券の売買手数料
LINE証券の売買手数料は、1回の取引金額で決まる「約定ごと」で定められています。
買付手数料は無料なため、利用額に関係なく手数料は必要ありませんが、売却手数料は1回取引金額ごとに以下の金額が必要になります。
約定代金 | 現物株の買付手数料 | 現物株の売却手数料(税込) |
---|---|---|
5万円以内 | 0円 | 99円 |
5万円超10万円以内 | 0円 | 176円 |
10万円超20万円以内 | 0円 | 198円 |
20万円超50万円以内 | 0円 | 484円 |
50万円超100万円以内 | 0円 | 869円 |
100万円超150万円以内 | 0円 | 1,056円 |
150万円超3,000万円以内 | 0円 | 1,661円 |
3,000万円超 | 0円 | 1,771円 |
LINE証券の信用取引売買手数料とその他のコスト
LINE証券では、現物取引を行う際は売却時の手数料が必要になりますが、信用取引の場合は購入時、売却時ともに手数料は無料です。
ただし、信用取引を行う場合は手数料以外のコストが発生しますので注意しましょう。
信用新規買い | 信用新規売り | |
---|---|---|
日歩(買い方金利) | 2.80% | ― |
貸株料(売り方金利) | ― | 1.15% |
品貸料(逆日歩) | 受取る | 支払う |
管理費 | 信用建玉1株につき
10銭(税抜)/月 |
信用建玉1株につき
10銭(税抜)/月 |
名義書換料 | 50円(税抜)/1単元 | ― |
配当金相当額 | 受取る | 支払う |
※管理費、名義書換料は取引内容により異なることがあります。
LINE証券の単元未満株の取引コスト(スプレット)
取引コスト(スプレット)とは、売値と買値の差のことを意味します。
ニュースなどで「円相場は1ドル=100円50銭~52銭で取引されています」のように表現されていますが、これは1ドルが100円50銭~52銭の間の金額で取引されているという意味ではなく、通貨を購入するときの価格と売却するときの価格の両方を伝えており、この場合「ドルを売るときは100円50銭で取引され、ドルを買うときは100円52銭必要になる」という意味になります。
一般的に、株取引を行う場合は、証券会社を介して行います。売値と買値の差があることで取引コスト(スプレット)が発生し、この差額は仲介手数料として証券会社に支払われます。
LINE証券の取引コストは、取り扱う銘柄と時間帯によって異なります。LINE証券では、取り扱っている銘柄はグループA~Cに分けられていますが、例えばグループAに分類されている銘柄の場合の取引コストは以下のようになります。
取引時間 | 取引コスト |
---|---|
9:00~11:20 | 0.2% |
11:30~12:20 | 1.0% |
12:30~14:50 | 0.2% |
17:00~21:00 | 1.0% |
1.0%になる時間帯は、取引時間外(東証取引所が休憩に入る時間帯や取引終了後)となる時間帯です。
LINE証券側にも取引時間外の時間帯がありますので、LINE証券の取引コストを抑えるためには、できるだけ取引時間内を利用するようにしましょう。
また、夜間に1株単位の取引が行える証券会社はLINE証券だけなので、少額の株取引を希望する場合は、LINE証券を利用するメリットが大きいと言えるでしょう。
LINE証券の手数料を他の証券会社と比較
LINE証券の手数料は、他の証券会社と比較して高いのか安いのかは気になるところです。
LINE証券以外の証券会社の手数料を紹介します。LINE証券と比較しながらチェックしてみてください。
※手数料については2020年10月時点の各証券会社公式サイトの情報を参照しています。
松井証券の特徴と手数料
松井証券の特徴は、PTSを利用できることです。PTSとは、東証取引所などの証券取引所を経由せずに、私設の取引システム(PTS市場)で株式の現物取引ができるというものです。松井証券ではPTSを利用することで、23時59分まで現物取引を行うことが可能です。
松井証券では、1日の取引回数に関係なく1日の合計取引額が50万円までであれば、現物取引も信用取引も手数料が無料になりました。50万円超~100万円までは1,000円、100万円超~200万円までは2,000円、200万円を超えると100万円増えるごとに1,000円の手数料が加算されます。
SBI証券の特徴と手数料
SBI証券の特徴は、Tポイントが貯まるということです。
国内株式の取引や投資信託などでTポイントが貯まり、貯まったポイントは通常の買い物などに利用することもできますが、ポイントで買付を行うこともできます。
SBI証券もPTSを利用しているので、23時59分まで取引を行うことができます。
SBI証券の手数料は、1回の取引(1約定)の金額で決まる「約定ごと」で決められているスタンダードプランと、1日の取引金額の合計で手数料が決まる「1日定額制」のアクティブプランがあります。
SBI証券現物取引のスタンダードプランの手数料
現物取引のスタンダードプランの手数料は以下の通りです。
1注文の約定代金 | 手数料 |
---|---|
~5万円 | 50円(税込55円) |
~10万円 | 90円(税込99円) |
~20万円 | 105円(税込115円) |
~50万円 | 250円(税込275円) |
~100万円 | 487円(税込535円) |
~150万円 | 582円(税込640円) |
~3,000万円 | 921円(税込1,013円) |
3,000万円超 | 973円(税込1,070円) |
SBI証券現物取引のアクティブプランの手数料
現物取引のアクティブプランの手数料は以下の通りです。
1日の約定代金合計額 | 手数料 |
---|---|
~100万円 | 0円 |
~200万円 | 1,162円(税込1,278円) |
以降100万円増加ごとに | 400円(税込440円)ずつ増加 |
その他、信用取引、インターネット取引やPTS取引の手数料は紹介の手数料とは異なりますので注意してください。
岡三オンライン証券
岡三オンライン証券の信用取引の手数料は、会社が定めている基準によって3つのコース(プレミアゼロ、プラチナ、通常)に区分されているのが特徴です。現物取引の手数料は、1回の取引(1約定)の金額で決まる「約定ごと」で決められているワンショットと、1日の取引金額の合計で手数料が決まる「1日定額制」の定額プランがあります。
岡三オンライン証券現物取引のワンショットプランの手数料
現物取引のワンショットプランは以下の通りです。
1注文の約定代金 | 手数料 |
---|---|
~10万円 | 99円(税込108円) |
~20万円まで | 200円(税込220円) |
~50万円まで | 350円(税込385円) |
~100万円まで | 600円(税込660円) |
~150万円まで | 1,000円(税込1,100円) |
~300万円まで | 1,500円(税込1,650円) |
300万円超 | 100万円増加ごとに300円(330円)ずつ増加 |
定額プランは、50万円までは無料で、50万円超100万円まで800円、以降100万円増加ごとに500円ずつ加算されます。信用取引の定額プランは、区分がプラチナゼロになると手数料が無料になります。
ライブスター証券
ライブスター証券は、信用取引手数料が無料なのが特徴です。
現物取引は、1回の取引(1約定)の金額で決まる「約定ごと」で決められている一律(つどつど)プランと、1日の取引金額の合計で手数料が決まる「1日定額制」の定額(おまとめ)プランがあります。
ライブスター証券一律(つどつど)プランの現物取引手数料
ライブスター証券一律(つどつど)プランの現物取引手数料は以下の通りです。
約定代金 | 手数料 |
---|---|
5万円以下 | 50円(税込55円) |
5万円超~10万円以下 | 80円(税込88円) |
10万円超~20万円以下 | 97円(税込106円) |
20万円超~50万円以下 | 180円(税込198円) |
50万円超~100万円以下 | 340円(税込374円) |
100万円超~150万円以下 | 400円(税込440円) |
150万円超~300万円以下 | 600円(税込660円) |
300万円超 | 800円(税込 880円) |
定額(おまとめ)プランは1日の取引金額が50万円以下の手数料が400円で、50万円増加ごとに200円加算されます。200万円を超えると、100万円ごとに400円ずつ加算されます。
LINE証券の手数料について理解しよう
この記事では、LINE証券の手数料について紹介してきました。LINE証券が他の証券会社と大きく違うのは、現物取引の買付手数料と信用取引の売買手数料が無料という点です。
他の証券会社の取引手数料をいくつか紹介しましたが、現物取引と信用取引の違いだけではなく、1回の取引金額と1日の取引金額の違いでも金額別に細かく設定されているため、手数料の確認方法が複雑です。
LINE証券は、手数料設定が分かりやすいだけではなく取引画面も見やすいので、初心者の方におすすめの証券会社です。