2兆円以上のビットコイン(BTC)が10年以上休眠のナゾ

ビットコイン(BTC)供給量のかなりの部分が、10年間一切移転などの動きを見せていません。暗号資産(仮想通貨)分析データプロバイダーのグラスノード(Glassnode)によると、約10%相当のビットコインが、10年間の永い眠りに陥っています。その理由とは?

180万BTCが休眠、総額は2兆4,000億円にも

グラスノードによると、現在流通している1,850万BTCの内、180万BTCが休眠中のアドレス(ウォレット)の中に納まったまま一切の動きを示していません。仮想通貨取引データのCoin360によると現時点でその時価総額は230億ドル(約2兆4,000億円)余りに達します。

仮想通貨業界では、仮想通貨を保有したままの状態をホドル(hodle)と称し、その持ち主をホドラー(hodler)と呼んでいます。ビットコイン価格に大きな影響を及ぼす要因の1つは、そのホドラーらが何らかの動きを示す時だと注視されています。

現在ホドル状態のビットコインの大部分は、身元不明のサトシ・ナカモトのもとにあるとも考えれています。サトシは自身で100万BTC以上を保有しているといわれますが、これらのビットコインは永遠に失われてしまったともうわさされてきました。

突然動いた50BTC、持ち主をめぐって3つの説が浮上

新型コロナウイルスのパンデミックが極まった今年5月になって、これまで流通したことのない一部のBTCが、取引に絡んだことが分かりました。2009年2月以来、何の動きも見せなかったそのウォレットから50BTCが、何らのコメントあるいは警告なしに、2つの別のウォレットに移転されてことが確かめられました。

理由不明のこの事実は大きな反響を呼びました。ブロックチェーン・コミュニティーの人々の間では、そのウォレットの持ち主について、3つの見解が広まりました。

その1人は、コンピューター科学者ハル・フィニー(Hal Finney)氏の家族という説です。同氏は、サトシから最初にビットコインを受けっとた人物としても知られています。

2人目は、サトシとビットコイン開発に当たった初期の開発者のマルティ・マルミ(Martti Malmi)氏、そして最後の3人目がサトシ自身というわけです。この噂はその後、行方不明のサトシを除き、本人から事実ではないと否認されてしまいました。

BTC価格は1万3,000ドル大台突破 小額保有者が激増か

ビットコイン価格は10月21日、遂に1万2,000ドルの抵抗線を突き破り、オンチェーン転送量は14カ月ぶりに400万BTCを超えました。ユーザーは総供給量の22%を24時間の間に売買したことになります。ちなみに現時点のBTC価格は、抵抗線をものともせず、あっという間に1万3,000ドル(約136万円)の大台に乗りました。

またこの期間に、少なくとも0.01BTCを保有するアドレスの数は新記録を樹立しました。ビットコインの値動きに反応して買い増しユーザーが増えたこと、あるいは小額のビットコインを買って様子見する新規投資家が多数参入した結果でしょう。

米決済最大手のペイパル(PayPal)は同日、仮想通貨の売買などのサービスを開始すると発表大きな反響を呼んでいます。ホドラーが眠りから覚めて、何らかの動きを示すか、順風が吹き始めている仮想通貨市場の動きは当面目が離せません。

ビットコイン(BTC)の価格・相場・チャート

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