仮想通貨取引所大手3社の中国系SNSアカウントが凍結、規制強化の前兆か

大手仮想通貨取引所のWeiboアカウントが強制停止

人民日報傘下のメディア「環球時報」の発行するグローバルタイムズ(Global Times)にて、ミニブログのプラットフォームを提供するWeiboが、大手仮想通貨取引所であるバイナンス(Binance)・オーケーイーエックス(OKEx)・フォビ(Huobi)3社のアカウントを停止したと報じられました。仮想通貨に対する中国政府の否定的立場からすると、中国系企業が仮想通貨業界に敵対的な対応を見せたことは不思議なことではありませんが、中国国内での仮想通貨への対応が一層明確になっています。

Weiboは今回の措置について、潜在的な安全性のリスクと、3つの取引所に関わる異常な業務を慣行したことを理由としていますが、その詳細は説明できていません。Huobiの担当者は、状況を解決するために、Weiboとやりとりを続けていると述べています。

中国企業の活動との矛盾

Binanceやその他取引所に対するこのような規制は、初めてではありません。2019年にもWeiboは、コミュニティ内における法規定違反を引き合いに、Binanceのアカウントを一時的に停止しています。さらにトロン(Tron)のCEO(最高経営責任者)であるジャスティン・サン(Justin Sun)氏のアカウントも理由も告げずに凍結されました。

最近では中国系ソフトウェア企業のメイツ(Meitu)が4,000万ドル(約43億円)相当のビットコイン(BTC)とイーサリアム(ETH)を購入しましたが、Weiboの措置は、中国企業が仮想通貨投資を活性化させているという時期の出来事でした。

真の理由は中央銀行デジタル通貨の存在か

Weiboがアカウント停止の詳細な理由を明かしていない中、コミュニティ(関係筋)ではいくつかの理由が推測されています。その内の注目に値する1つは、中国政府が計画している中央銀行デジタル通貨(CBDC)との関連性です。2021年1月に報道された成都市で行われたテストから、CBDCの発行に関して最も進んでいる中央銀行は中国人民銀行だとされています。中国ではすでに多くのアプリケーションがリリースされているだけでなくテストも多数実施され、何千ものトランザクションが完了しています。

中国政府がビットコインの公的規制と金融機関への管理体制の強化を望んでいることを踏まえると、今回のWeiboによるアカウント停止のように、政府が今後中国国内で活動する仮想通貨関連企業に対して、より規制する可能性もあります。

参考
China’s Social Media App Weibo Reportedly Bans the Accounts of Binance, OKEx, and Huobi

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