大手仮想通貨投資ファンド、過去最高業績を記録|出資比率はビットコインが約9割、機関投資家は66%に
ビットコインへの出資が強まった2018年
世界最大級の仮想通貨投資企業Grayscale社が2018年10月から12月にかけての業績レポートを公開した。長らく弱気相場が続いた2018年においても過去最高の資金調達額を記録していることから、仮想通貨への期待が高まっていることが伺える。

大型仮想通貨投資企業が第3四半期レポートを公開

大手仮想通貨投資企業Grayscale社が第3四半期(米国におけるQ4)レポートを公開し、同社が運営するファンドの業績情報を開示した。

Grayscale社のレポートによると、同社は2018年12月31日時点で8億2500万ドル(約911億円相当)の資産を運用する世界最大級の仮想通貨資産企業と説明をしている。

2018年第3四半期の結果は以下のような結果となった。

  • 総調達額:3010万ドル(約33億円)
  • 全商品の投資額(週平均):230万ドル(約2.5億円)
  • ビットコイン信託への投資額(週平均):200万ドル(約2.2億円)
  • ビットコイン以外の商品への投資額(週平均):30万ドル(約3300万円)

10月から12月の3ヶ月にかけて、同社は約3000万ドルの資金を調達し、これにより2018年の調達額は過去最高の3億5950万ドル(約397億円)を記録した。

仮想通貨市場にとっては苦しい秋だったため、同期間の資金流入額は過去最低水準だった。

しかし2018年全体での数字は同社の2017年時の調達額の約3倍で、2014年から2017年にかけての総調達額の2倍と、仮想通貨市場が弱気相場にあっても、過去最高の業績を残した形となっている。

また同ファンド内では、ビットコインに対する期待感が高まっていたことがデータから伺える。

同社の提供するビットコイン信託(Bitcoin Investment Trust)では、2018年末に投資家から集められた資金の88%はビットコイン信託に行われており、12%のみがその他のデジタル資産に対するものだった。

また仮想通貨市場の再浮上に欠かせないと見られている機関投資家からの数字も投資家の半数を占めていた。約4割が退職金口座から行われているのも興味深い。

特筆すべきは2018年全体のおける投資の66%が機関投資家から来た点だ。

また次に高い退職金口座に関しては先日、米バージニア州の警察官など公務員用の2つの年金基金が仮想通貨ファンドに出資していたことが話題となっていたばかりである。

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ビットコイン価格が最高値から約80%以上の下落を見せた中でも、Grayscale社のような仮想通貨資産運用企業がこのような好成績を伸ばしているのは長期的な目線を持っている投資家は依然として、ビットコインを始めとした仮想通貨に対して強気な姿勢を維持していることが分かる。

Grayscale社のCEOであるBarry Silbert氏は今週、CNBCとのインタビューでビットコインやアルトコインの今後について以下のような見解を述べていた。

私が知る限りでは、ビットコインはデジタル版ゴールドとなる競争に勝った。

既に機関投資家が資金を流入しており、他にも多くが仮想通貨を検討しており、(価格が落ち着いて来る)今まで、「上昇したことを確認してから買っても遅くはない」という認識を持っていた。

…私は大半のデジタルトークンがゼロに行くだろうと考えている。

仮想通貨市場の下落が続く中、仮想通貨の元祖であるビットコインに再び資産を戻す動きは顕著だった。2018年、ビットコインのドミナンス(市場占有率)は常に50%を上回っていた

このようにビットコイン優勢を支える意見は世界最大級の仮想通貨企業Digital Currency Group社の最高責任者であるSilbert氏の見解や、Grayscale社の業績からも伺える。

仮想通貨市場は停滞しているが、今年はフィデリティ社のカストディやBakktのビットコイン先物などの始動で機関投資家流入の加速化が期待されている。

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