ブロックチェーンゲームのトークン化されたアイテムのファンダメンタルとは?

ブロックチェーンのゲーム系のアプリケーションは徐々にユーザー数が増えています。国内でトップのユーザー数を誇るMy Crypto Heroes(マイクリプトヒーローズ)は、デイリーアクティブユーザー数を7,000弱と発表しています。

My Crypto Heroesは、「ゲームにかけた時間もお金も情熱も、あなたの資産となる世界」をコンセプトにしている通り、ゲームアイテムがブロックチェーンアセットになります。

ゲームローンチ時からプレイをしていた初期ユーザーは、資産価値も向上していると言います。My Crypto Heroesに限らず、ブロックチェーンを使用したゲームでは、所持しているゲームアイテムがアセット化され、個人間で簡単かつ確実に売買できる点が画期的です。ブロックチェーンを使用したゲームは、急速に成長している分野でもあり、その状況は下記のレポートでも解説しています。

参考:ブロックチェーンを使用したゲーム及び、Non-fungible tokensの最新(2018Q4)状況

考えられるトークン化されたアイテムの3つの需要

しかし上記のような特性があるだけに、ユーザーはゲームそのものを楽しむのではなく、資産を増やすことを目的にゲームをしたり、より高値でアイテムを転売するためにゲームアイテムを買ったりという行動傾向になることが特徴です。

また、ブロックチェーンゲームは運営がいなくなっても、ゲームアイテムはブロックチェーン上に残り、価値を持ち続けるという主張をする人もいます。ここで、このトークン化されたゲームアイテムの価値の源泉は何かということについては考える必要があるでしょう。

ゲームアイテムの価値(価格)は、買い手の需要、欲しいと思う人の存在によって反映されます。さまざまな欲しい理由が考えられますが、多くは下記のいずれかに分類をされるはずです。

  1. ゲームをプレイするのに必要である
  2. 所有欲を満たしたい
  3. より高値で転売できる可能性がある

ブロックチェーンゲームのアイテムのファンダメンタルズとは?

いずれも購入するのに妥当な理由になりますが、ゲームアイテムのファンダメンタルズとは何かを考える機会は必要でしょう。

ゲームアイテムがトークン化し二次流通すれば自然に価格が付きますが、価値が上がり続けるアイテムのトークンがあるとすれば、そのゲームはユーザーが増え続けており、その上でそのアイテムがゲーム内で高い希少性を持っている必要があります。つまり、上記の理由として挙げた1と2の人数が多ければ、それはファンダメンタルがあると言えますが、3の理由のみのユーザーが多ければ、それは危険でしょう。

またブロックチェーンゲームは、ゲームがクローズしてもアセットを他のゲームに持っていけるから資産になるという主張もありますが、これについても懐疑的に考える必要があります。他のゲームのアイテムが、新規ゲームに受け入れられてしまえば、新規ゲームは開発費やプロモーション費用を賄えないからです。

ブロックチェーンを活用したゲームアイテムなどのトークン化は新しいユーザーエクスペリエンスを生み出していることに違いないですが、ユーザー視点ではお金が関わる要素が増えるからこそ、より意識するべきだと言えます。

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