- JPモルガン、ブロックチェーン関連求人に積極的
- 米大手求人企業が過去1年間のデータを公開し、米金融機関の中で最もブロックチェーン・仮想通貨関連の求人募集をかけたのは、米最大手銀行JPモルガンだったことを明かした。
JPモルガン、ウォール街金融機関におけるブロックチェーン関連求人数が最多
米著名経済誌フォーブス は、米大手求人企業「Indeed.com」より過去1年の求人データの報告を入手し、米国の金融機関の中で最もブロックチェーン・仮想通貨関連の求人を公開したのは、米最大手銀行「JPモルガン」だったことを報道した。
フォーブスの報道によると、JPモルガンのブロックチェーン求人数を上回った企業は、IT企業のカテゴリではマイクロソフト、イーサリアムのインキュベーター「ConsenSys」、IBMとCisco。
またコンサルのカテゴリではAccenture(アクセンチュア)、EY、KPMG、Deloitte「デロイト」がJPモルガンを上回っている。
Indeed.comの経済学者であるAndrew Flowers氏は、今回の統計結果について、以下のように指摘した。
注目すべきは、今の『お金』の代わりになり得る仮想通貨技術について、銀行などの金融機関からの求人は非常に少なかったことだ。過去一年では、ブロックチェーン・仮想通貨の求人検索数よりも、企業側による求人の募集数の方が多かったことも非常に興味深い。
またFlowers氏は、「2018年2月〜2019年2月の間、Indeed.comにおける総求人の検索率が67%、仮想通貨の相場も大幅に減少したため、ブロックチェーン・仮想通貨の職業に対する関心度も共に減ってきただろう。」とも言及した。
しかし、今回の報告はブロックチェーン職業の検索数の減少が企業からの募集の増加にどのように相関しているのかは考察していないものの、フォーブス誌は、「おそらく一部の大手企業は、仮想通貨以外のブロックチェーン利用を検討しているだろう」と予測している。
JPモルガンの動き
JPモルガンのCEOであるジェイミーダイモン氏は、以前よりビットコイン・仮想通貨の価値や存在を批判してきたが、ブロックチェーン技術自体に対しては積極的な態度を見せている。「Blockchain Center of Excellence」という部門を立ち上げブロックチェーンの応用に関して研究・開発を進めてきた。
また同社は、企業向けイーサリアムのプライベート・ブロックチェーン「Quorum」を2016より独自で開発し、今年の2月にQuorumを利用した米ドルの仮想通貨ステーブルコイン「JPMコイン」の発行計画を発表し話題を呼んでいた。
JPMコインは、既存の仮想通貨のようにオープンな環境で利用されるものではないが、JPモルガンのクライアント企業などが共通で利用できる決済向けのデジタル通貨である。
このように、仮想通貨ではなくブロックチェーン技術に積極的に携わるJPモルガンは、ウォール街にあるその他のメガバンク等にどのような影響をもたらせるか、注視したところだ。