イーサリアム 2.0(Serenity)のPoS移行にあたり投資家が考えはじめるべきこと

イーサリアム(Ethereum)は、現在のPoW(Proof of Work)の合意形成アルゴリズムから将来、PoS(Proof of Stake)に移行をします。

イーサリアム(Ethereum)のPoSへの移行の流れ

この大型アップデートは、いわゆるEthereum2.0と呼ばれるもので、現在いくつかの実装パターンが開発されています。Ethereum2.0は段階的にアップデートされる予定であり、フェーズ0のアップデートは、2019第4四半期~2020年第1四半期を目標に開始されます。Ethereum2.0について基礎的な技術アーキテクチャについては、下記のブログに詳しいです。

関連:Devcon4でVitalikが発表をしたEthereum2.0・Serenityの概略、大まかな全体像を理解する

バリデータノードになるため32ETH必要

その後、フェーズ1 で Shard Chains (Data レイヤー)、フェーズ2 でShard Chain (Execution レイヤー)が稼働する予定になっています。すでにフェーズ0のEthereum2.0は、テストネットはリリースされています。テストネットでリリースされているものは、Prysm clientで、他にも複数の実装がリリースされる予定です。(参照

フェーズ0では、PoSの合意形成アルゴリズムがBeaconチェーンとして導入されますが、現在のPoWブロックチェーンも残り、アンカーレイヤーとして2つのブロックチェーンが平行します。ETHのホルダーが、バリデータノードになるためには、32ETHをステーキングする必要があります。

Beaconチェーンを立ち上げるためには、全体で最低52万4,288ETHがステーキングされる必要があるとされ、また最低ノード数は214ノードであり、これがBeaconチェーン開始の最低要件です。52万4,288ETHは、執筆時点のレートでおおよそ100億円程度です。最低でもこれだけのETHがネットワークにロックアップされ、市場に流通しなくなるということです。

早ければ2019年末に開始

PoWがハッシュレートでネットワークのセキュリティを測るのに対して、PoSではステーキングされているアセットの総量がネットワークを規定すると言ってよいでしょう。資産をステーキング(ロックアップ)する代わりにインフレーションレートを報酬として受け取るインセンティブ設計です。

EtheruemのPoSでは、ネットワーク全体のバリデータノードの数が多ければ多いほど、一つあたりのバリデータノードが受け取れる報酬は小さくなります。それに伴い、ネットワーク全体で見た際のETHのインフレーションレートも変わってきます。これがどのように変化するかは下記の表に詳しいです。

ETHのインフレーションレート
出典:EthHub

Ethereum2.0のフェーズ0、およびステーキングは早ければ2019年末にも始まります。Beacon ChainにETHをステーキングする場合、そのETHはPoWのブロックチェーンには戻せず、フェーズ2まで(ロードマップ上では2年の予定)取引所への移動や譲渡が不可能になります。Beacon ChainにステーキングされたETHは、BETHと呼ばれます。

今後、ETHへの投資判断をする場合、このステーキングのエコノミクスがどのように動くかが非常に重要な動向になります。及び、長期投資をする場合、そのETHをステーキングするかどうかも重要な判断になるでしょう。

過去に配信したこちらのレポートも、ETHを投資対象として見当するにあたり、非常に有意義な情報になっているはずです。

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参考
Delphi Digital
EthHub


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