- 調査結果:9割の財団ファンドが仮想通貨へ投資
- 英証券投資メディアの調査に応じた150の大学基金の内9割が、2018年に仮想通貨の関連投資を行っており、2019年も継続する方針があると判明した。注目すべきは、米名門大学による仮想通貨の関連投資だ。
調査結果:9割の財団ファンドが仮想通貨へ投資
最新の仮想通貨調査結果によると、調査対象のエンダウメント(大学基金)は2018年において、直接もしくは仮想通貨ファンドを通してデジタルアセットへの投資を行なっている。
今回発表された新たな仮想通貨市場調査は、英グローバル証券ビジネスメディア「Global Custodian」が同じ英仮想通貨投資ファンド「The TRADE Crypto」、米仮想通貨カストディサービス企業「Bitgo」と共同で昨年の第4四半期で行ったものだ。
調査によれば、150の大学基金の内9割は、2018年に仮想通貨関連投資をしていたことが判明。2019年も投資を継続させる意向を示している
エンダウメントとは
エンダウメントとは、寄付金によって設立された米国の名門大学の財団、基金のことです。GCIエンダウメントファンド(成長型)、GCIエンダウメントファンド(安定型)は、このエンダウメントの運用において大学基金が実践してきた投資手法やスタイルを模範とし、長期のグローバル分散投資を目指します。
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具体的な調査内容を見てみると、すでに仮想通貨の関連投資を行なっている9割の大学基金は2019年において、2018年と同じような投資額で投資を続けるか、もしくは資金を増やすかどうかの計画を持っているとしている。
また、投資している大学基金の54%は、仮想通貨への直接的投資(取引所やOTCなど)を行っていたが、46%は投資ファンドを通したものだ。
ファンドを通して投資していた46%の機関投資家は、投資ファンドに「安定性・信頼性・安全性」を求めていることもわかった。
一方で、仮想通貨取引所に見られる流出事件や安全性に対する懸念などについては、特に言及されていない。
Global Custodianのマネージング編集長Jonathan Watkins氏は、大学基金による仮想通貨投資への高い関心について、「仮想通貨における規制やカストディーなどの問題がいまだあるにも関わらず、大学基金からの投資需要は一向減らない。これはとても素晴らしいことだ。過去1年は誰もが機関投資家の参入時期を期待していたが、すでに参入し始めている。」と語った。
米名門大の仮想通貨関連投資
今回の調査に回答した大学の9割は米国の大学であり、残りはイギリスとカナダにあるとされている。注目すべきは、米名門大学による仮想通貨の関連投資だ。
先日、ハーバード大学基金がブロックチェーン企業Blockstackのトークンを購入したことが報じられた。同企業は米SECに向けてSTOの一般セールの登録を行なっている。つまり、規制が不健全な環境においても、ハーバード大学が直接トークンを購入したことは特定の仮想通貨トークンの合法性を証明したものになる。
また昨年10月には、同じ米名門のイェール大学が約450億円の仮想通貨基金Paradigmに出資したことも話題となっており、米国のトップ1、2の大学基金がすでに仮想通貨の関連投資を行なっていることになる。
上述の調査は、「伝統的なアセットファンドや投資銀行は仮想通貨の短期的価格変動を理由にその投資を敬遠するものの、長期的投資戦略を組む大学基金は仮想通貨への投資を積極的に取り組んでいるようだ。」と分析し、大学の長期的資金運用の構造がその理由であるとしている。
つまり、大学基金は短期でなく、中・長期目線で仮想通貨の価値上昇を見込んでいることを意味している。