続々と退職をするcoinbaseの幹部クラス。米国の仮想通貨業界の勢力図が大きく変わる可能性

コインベース(Coinbase)は米国最大の取引所として、現在に至るまで、長い間その座を維持しています。しかし、その内部では何かしらの異変が起きているように感じざるを得ないニュースが多く流れています。

Coinbaseから退職をする多くの幹部クラス

具体的には、数多くの役員やマネージャークラスが、2018年後半から同社を退職しています。退職したCoinbaseの元職員は以下のメンバーです。

氏名 ポジション 概要
アダム・ホワイト(Adam White) 機関投資家チームのトップ、同社5人目の従業員 2018年10月に退職、退職後はBakktのCOOに
ハンター・マーガート(Hunter Merghart) トレードシステムのトップ アダム・ホワイトによって採用されたが、同社に機関投資家顧客を引きつける力がないとして2018年10月に退職
マイク・レンプレス(Mike Lempres) チーフコンプライアンスオフィサー 2018年11月に退職。a16zに転職。
ジェレミー・ヘンリクソン(Jeremy Henrickson) チーフプロダクトオフィサー 2年以上同社に努めた上、退職。
リーズ・アトラス(Rees Atlas) リスクマネジメントオフィサー 2013年から入社した初期従業員だが、Twilioに転職。
クリスティーン・サンドラー(Christine Sandler) 機関投資家のセールストップ Fidelityに転職。
バイシャリ・メンサ(Vaishali Mehta) コンプライアンスマネージャー TrustTokenに2019年初旬に転職。
ウォーレン・タグル(Warren Tagle) チーフインフォメーションオフィサー 旅行系スタートアップに2019年初旬に転職。
ブルック・コントレーラス(Brooke Contreras) モニタリングチーム AMEXに転職。
コリン・メイソン(Colin Mason) モニタリングチーム Wyreに転職。
ダン・ロメロ(Dan Romero) インターナショナルビジネスの部長クラス 2019年4月に転職

ダン・ロメロ(Dan Romero)氏は以下のコメントをコインデスク(CoinDesk)に残しています。

「ミッションに忠実であり続けるには、しばしば困難なことや不人気なことさえ遂行しなければなりません。しかし、大抵の場合、困難なものほど価値が大きくなるものであり、(Coinbaseで)直接関わる機会を得ることができた私は幸運でした。」

一般的に考えても、役員の退職は懸念材料になりかねませんが、特に創業から数年のスタートアップの幹部クラスが続けて退職をすることは、その企業にとって極めて悪い兆候であると言えます。

米国の仮想通貨業界勢力図が変化する可能性

また、Coinbaseの出来高が非常に下がっており、ブルマーケットが再来しない場合、今年の売上は前年の半分程度になる可能性もあるという予測も、海外ニュースメディアのザ・ブロック(The Block)から出ています。

対して、バイナンス(Binance)に関しては、昨年はさすがにCoinbaseを追随することは難しいのではないかと筆者は考えていましたが、今ではBinanceのほうが圧倒的に勢いがあり業界の変化は改めて早いと感じます。こちらのレポートは、Coinbaseが最も勢いのあったときに同社の歴史と当時の状況を詳細にした記事ですが、現在と比較すると得られる示唆も多いでしょう。

仮想通貨業界の中心かつ圧倒的なトッププレーヤーに見えたCoinbaseでも何かしらの異変が起きていることは恐らく間違いなく、アメリカ国内の暗号通貨業界の勢力図も大きく変化しそうです。

【こんな記事も読まれています】
仮想通貨取引所コインベースがJPモルガンを抜く人気の就職先に
ウォールストリートVSシリコンバレー、加熱する暗号通貨業界の人材獲得競争

参考
CoinDesk①
CoinDesk②
The Block


d10n Labのリサーチコミュニティでは、ブロックチェーン業界の動向解説から、更に深いビジネス分析、技術解説、その他多くの考察やレポート配信を月に20本以上の頻度で行なっています。
コミュニティでは議論も行えるようにしており、ブロックチェーン領域に積極的な大企業・スタートアップ、個人の多くに利用頂いています。
▼d10n lab 未来を思考するための離合集散的コミュニティ
https://d10nlab.com/

おすすめの記事