世界初の仮想通貨都市誕生へ、マレーシアのブロックチェーンプロジェクト

マレーシアが世界初の仮想通貨都市を誕生させて、DMIコインと呼ばれる新しい仮想通貨の流通を通じて、観光客に限定してマレーシア通貨リンギット(MYR)を使わない都市に変えることになると、英国の日刊タブロイド紙ザ・サン(The Sun)が伝えています。

まさに「将来の観光客向けブロックチェーン体験目的地」を目指します。マラッカ市の該当する地域は「Melaka Straits City(マラッカ海峡市)」と改名されます。

歴史的都市マラッカが仮想通貨都市に DMIコインを使って決済

ザ・サン紙(2019年4月30日付)によると、マレーシア政府はシンガポールと隣接する南部の歴史的な都市マラッカ(Malacca City)を一段と魅力的な観光都市にする計画の一環として、仮想通貨に関心のある観光客を新たに誘致する目的で、マラッカ市内の835エーカーの地域でリンギットを廃して、仮想通貨DMIを流通させるということです。その目的は、仮想通貨とブロックチェーンとは何かを知ってもらうことです。

同紙は「DMIは、モバイル事業やビジネス情報、サイバーセキュリティサービスなどを提供する企業であり、このプロジェクトでマラッカ海峡市当局と協力している。訪問客は到着時に通常の貨幣とDMIとを交換することができる」と説明しています。同紙はさらに「訪問客は仮想通貨都市に滞在中、公共サービを受けて支払いをする際にDMIコインを使用することでブロックチェーン技術がどのように利用するのかを知ることになる」と報じています。

DMI発行の計画は、ブロックチェーン技術を強く支持している中国政府や企業からも支援されていると伝えられています。

仮想通貨DMIアプリは携帯電話かPCで利用

同紙によると、「世界中で同じようなプロジェクトが進行中であり、多くの企業が将来の仮想通貨体験目的地を創造しようと奮闘しているが、マラッカ海峡市はアジアで初のブロックチェーン都市なることを目指している」としています。

DMIウェブアプリを利用するには、携帯電話かPCを通じて行われます。DMIアプリはAndroidかiOS上で動作します。プロジェクトの代表であるリム・ケンカイ氏は「当社は最先端ブロックチェーン技術を使い、それを伝統的産業に統合して、マレーシアを世界クラスの観光目的地にしようとしている。われわれはこの国土に手を加え、この地帯に何か大きな計画を考案することで政府の許可を得ており、地域のためになるいくつかの素晴らしい計画を考案している」と述べています。

都市全体を仮想通貨都市に変えて年間300万人の間顧客の誘致を目指す

マラッカ海峡市を訪れるすべての観光客は、所持金をデジタル通貨のDMIと交換し、携帯電話かコンピューターを使ってサービスを受けなければなりません。プロジェクトの開発者は、ブロックチェーンシティとして生まれ変わる街には、年間300万人の観光客を誘致したいと期待しています。

あるブロックチェーン企業は18年、スロベニアの首都リュブリャナにある欧州最大規模の商業コンプレックスの1つで、ビットコインシティ(Bitcoin City)のパイロット計画を開始しました。商業コンプレックスは、4,000の小売店舗と企業が決済の選択肢として仮想通貨を受け入れました。しかしこのプロジェクトは、1つの商業コンプレックス内の決済に限られています。

マレーシアの計画は、都市全体をブロックチェーン仮想通貨都市に変えるという壮大な計画です。

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参考
THE Sun
THE DAILY HODL

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