積立FXとは?おすすめ通貨とFX口座を紹介

FX取引はリスクが大きいという面がありますが、初心者でも安心して取り組めるFXサービスがあります。定期的に通貨を購入する「積立FX」です。

これはFX特有の値動きの大きさを、ドルコスト平均法による購入方法によってリスク分散できる投資方法となります。

これからFXで資産運用してみようと考えている人にもなぜおすすめなのか、さらにチェックすべき通貨はどれなのかを詳しく説明します。

FXとは?メリット・デメリットやFX事業者や口座比較など初心者に分かりやすく解説

積立FXとは

FX取引は口座に証拠金を預けて、外貨を売買する投資です。たとえばUSD/JPY(米ドル/円)の場合、米ドルを買って決済した時に為替レートの変動による損益が確定します。

FX取引では最低取引単位が決まっています。たとえば、USD/JYPは10,000通貨を1ロットとするのが一般的です。FX会社によっては、0.1ロットからの取引が可能な場合もあります。レバレッジを使って証拠金の数倍の取引ができますが、それでも0.1ロットでUSD/JYPの取引には4,000円ほどのお金は必要です。

一方で、積立FXの場合は最低取引単位は1通貨になっています。USD/JYPであれば、1米ドルから購入できるということです。そして、この積立FXというサービスを提供しているのは、SBI FXトレードのみとなっています。

積立FXのメリット

積立FXにはどのようなメリットがあるのかを説明します。

わずかな資金で投資できる

積立FXのメリットは、取引通貨単位が少ないことです。わずか1米ドル(2019年7月10日時点で109円ほど)から購入できるので、誰でも簡単に始めることができます。

投資を始めてみたいけれども損失リスクが心配、という人でも気楽に始めることができるでしょう。

値動きに動揺しなくなる

積立FXは少額で少しずつ外貨を購入できるので、購入タイミングを分散できます。そのため買い付け価格も平準化できるので、日々の為替レート変動による値動きを気にする必要がありません。

その意味では、為替レートの変動によって利益を得る通常のFX取引とは性質が違う投資であることがわかります。

積立FXは毎日から毎月まで好きなサイクルで購入できます。そして毎月設定した金額で定期的に購入する仕組みです。ドルコスト平均法によって、変動する為替レートの中で購入平均コストを平準化できるメリットがあります。

ほぼ毎日スワップポイントがもらえる

FX取引でポジションを保有すると、通貨ペアそれぞれの金利差によって生じるスワップポイントを得ることができます。これは毎日付与されるものなので、日々の為替レート変動を気にすることなく、保有を続けてスワップポイントを受け取ることが可能です。

中長期の資産形成に効果的

FX取引は株式投資などと異なり、比較的短期で決済するのが一般的です。しかし購入時期をずらして積み立てる形の積立FXは、中長期にわたる資産形成が可能です。スワップポイントを得ながら資産形成をするのに効果的と言えます。

積立FXで設定すること

積立FXでは、始めるにあたり決めておくことがいろいろとあります。

購入する通貨

まずは購入する通貨を選びます。2019年7月10日時点でSBI FXトレードが積立FXで提供している通貨は以下の9種類です。

・USD(米ドル)
・GBP(英ポンド)
・AUD(豪ドル)
・NZD(NZドル)
・CAD(カナダドル)
・CNH(中国人民元)
・ZAR(南アランド)
・TRY(トルコリラ)
・HKD(香港ドル)

すべて対円での取引になります。種類は多くありませんが、主な通貨は揃っています。

購入する金額

次に毎月いくらで購入するのか、金額を決めます。あとで説明するレバレッジ倍率に応じて、毎回どの程度の通貨を購入するかが決まります。たとえば毎日購入する形であれば、購入金額をひと月の営業日で割った金額で毎日購入します。

購入する頻度

購入する頻度は以下の3種類から選べます。

  • 毎日購入:毎営業日のAM11:30(営業日でなければ購入しない)
  • 毎週購入:毎週水曜日のAM11:30(水曜日が休みなら翌営業日)
  • 毎月購入:毎月26日のAM11:30(営業日でなければ翌営業日)

レバレッジ倍率

積立FXもレバレッジを使うことができます。選択できるレバレッジは、「1倍」「2倍」「3倍」の3種類です。
倍率は高くありませんが、その分リスクは抑えられます。

積立FXするならSBIFXトレードで口座開設

2019年7月10日時点で、積立FXを行っているのはSBI FXトレードのみです。そのため、積立FXを行うためには、SBI FXトレードでの口座が必要になります。

SBI FXトレード

SBI FXトレードはSBI FXトレード株式会社が運営しています。

取り扱い通貨ペア数は26種類ですが、積立FXでは9種類の通貨(円キャリー)となります。

レバレッジ倍率は25倍ですが、積立FXは1倍から3倍と低めの設定です。必要証拠金はFX取引ならばレバレッジ25倍で米ドル/円なら1通貨4円程度です。積立FXはレバレッジ3倍なら米ドル/円で1通貨40円弱となります。

ロスカットはFX取引なら証拠金維持率が50%以下ですが、積立FXの場合には証拠金維持率が30%を下回ると建玉すべてが決済されます。ある程度の下落までは耐えられる水準なのも、長期運用ができる理由です。

積立FXおすすすめ通貨は?

積立FXで投資するうえで、どの通貨を選べばよいのかをご紹介します。

米ドル

米ドルは世界の基軸通貨なので、値動きが安定している通貨として運用できます。米ドル/円の買いスワップポイントは1万通貨あたり1日+85円近く(SBI証券の場合:2019年7月10日時点:以下同じ)と高めなのが特徴です。

2018年から米ドル/円のチャートを見ると、1米ドル105円から115円の範囲内で上下動を繰り返しながらも110円あたりに収束する動きを見せています。

どの通貨にしようか迷っているならば、とりあえず選んでおくことをおすすめします。

豪ドル

豪ドルは米ドルに次ぐ高金利通貨であり、経済も安定しているので安心して購入できる特徴があります。

豪ドル/円の買いスワップポイントは1日+29円と決して高くはありません。また豪ドル/円のチャートは下落基調にあるので、これから底値を確認して手掛けてもよいかもしれません。

NZドル

NZドルは豪ドルと連動性が高いので、豪ドル/円と似たような性質を持っています。NZドル/円の買いスワップポイントは1日+31円となり、チャートも豪ドル/円同様に下落基調です。ただ、チャートを見ると長期移動平均線は上向きになっているので、これから上昇するかどうかチェックしておきましょう。

香港ドル

香港ドルは米ドルペッグ制をとっているので、米ドルと連動する動きをしています。そのため、基本的に米ドル/円と同じ動きを見せています。

ただしスワップポイントに関しては、1日あたり120円と高くなっています。

英ポンド

英ポンドは値動きが大きいのが特徴です。積立FXであれば、ある程度は購入単価を平準化できるので、あまり気にしなくてもよいでしょう。

英ポンド/円は下落基調にあり、チャートの長期移動平均線も下落を続けています。買いスワップポイントは1日あたり+28円です。

カナダドル

カナダはアメリカ経済の影響を受けやすいので、カナダドルも米ドルに連動した動きを見せています。ただしカナダは資源国なので、原油価格などの変動の影響も受けやすい特徴があります。

買いのスワップポイントは1日あたり+44円、チャートは上昇基調にあるので、積立FXを始めるにはちょうど良い時期かもしれません。

トルコリラ

新興国の中でも金利が高い国なので、買いのスワップポイントも1日あたり+90円と高めです。トルコリラ/円のチャートも長く続いた下落基調から上昇に転じたところです。カナダドル同様に積立FXでは要チェックの通貨です。

南アランド

マイナー通貨であり流通量も決して多くはない通貨ですが、高金利であることから買いスワップポイントも1日あたり+120円とかなり高いのが特徴です。

南アランド/円のチャートは長期的には下落していますが、短期的には上昇しています。

人民元

人民元は基本的には米ドルと連動しますが、一定の範囲内で政府がコントロールしています。人民元/円のチャートは下落基調から上昇に転じたところです。

買いスワップポイントは+60円と魅力ある金額になっています。

積立FXは初心者におすすめ!

積立FXは投資初心者にとってはリスクも低く、少ない資金で行える点でおすすめの投資方法です。通貨によってはスワップポイントも高いので、利回りも期待できます。FX取引はもちろんのこと、投資活動をしたことがない人でも気軽に始めることができると思います。

しかし、完全に運用を任せる投資かというと、そうではありません。投資資金や購入サイクルなどを自分で選べますし、さらに為替相場の動きを見て一時停止することも可能です。ドルコスト平均法で購入単価を平準化できますが、慣れてくればさらに有利に運用できるでしょう。

あとはどの通貨を選ぶのか、経済状況やチャートの動きをチェックして選ぶことをおすすめします。

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