仮想通貨は現代のお金の常識を変える可能性がある次世代の通貨です。
金融庁もただのデジタルデータではなく一つの通貨であることを認めており、世界各国の企業たちが仮想通貨を使った開発・取り組みを進めています。
そんな仮想通貨を保管するためのツール「仮想通貨ウォレット」。
一体どのような仕組みで仮想通貨が管理されているのか、そしておすすめのウォレットアプリやウォレットの作り方を紹介していきます。
仮想通貨の「ウォレット」とは
仮想通貨のウォレットとは、自分自身で仮想通貨を管理する際に必須のシステムです。
仮想通貨のウォレットは法定通貨を保管できませんが、逆に法定通貨を管理できる銀行は仮想通貨を管理することができません。
また、仮想通貨のウォレットは24時間365日いつでも入出金を行なうことができ、なおかつ送金も即日行われます。
法定通貨を預けられる銀行の場合、現金の入出金こそ24時間対応していますが、どこか別の口座に送金する銀行振込は平日しか対応していないほか、営業時間終了後は翌日付で反映されるようになっています。
仮想通貨のウォレットは、ウォレットによっては一つの仮想通貨でしか対応していないこともありますが、一部のウォレットは100種類以上の仮想通貨に対応しているものもあります。
仮想通貨ウォレットの仕組み
仮想通貨は、ブロックチェーン紐付けられたアドレスごとに残高や入出金が管理されており、ブロックチェーンを使わずに仮想通貨を管理することはできません。
仮想通貨ウォレットも同じことをいうことができ、仮想通貨ウォレットは厳密にはブロックチェーンで管理されているアドレスにアクセスして入出金などの管理が行えるシステムです。
例えばスマホ用の仮想通貨ウォレットを使っていた場合、仮想通貨をこのスマホにインストールしたウォレットアプリに送金したとしても、スマホに仮想通貨が保管されているわけではありません。
コールドウォレットがおすすめ!
投資目的で仮想通貨を保有しており、今後しばらく売買することはない場合はコールドウォレットがおすすめです。
コールドウォレットとはネットワークから完全に切り離した仮想通貨ウォレットのことを言い、ハッキングのリスクが極めて低くなる保管方法です。
ネットワークにつながった仮想通貨ウォレットのことをホットウォレットと言いますが、ホットウォレットのまま放置していると、最悪の場合はハッキングされて仮想通貨が盗まれてしまうこともあります。
現に仮想通貨取引所がハッキングに遭うという事件がありましたが、これらはホットウォレットに保管されていた仮想通貨資産が不正送金されるという内容でした。
仮想通貨ウォレットには3種類ある
仮想通貨ウォレットは大きく分けて以下の3種類があります。
- ウェブウォレット
- ソフトウェアウォレット
- ハードウェアウォレット
これら三つの仮想通貨ウォレットはそれぞれ特徴が異なり、使い方も少し異なります。
それではそれぞれの仮想通貨ウォレットについて順番に詳しく見ていきましょう。
ウェブウォレット
ウェブウォレットは、仮想通貨ウォレットサービスに登録して利用することができるウォレットです。
ウェブウォレットはパソコンやスマホにインストールしてウォレットを作成して管理する必要がなく、万が一パソコンやスマホが壊れてしまっても安心な仮想通貨ウォレットです。
ウェブウォレットは「Bitcoin.info」や「Math Wallet」、ほかにもイーサリアム系の仮想通貨に特化した「MyEtherWallet」などさまざまなウェブウォレットが存在します。
初心者でも簡単に使えるのが大きなメリットの一つであり、秘密鍵の管理をせずに仮想通貨の入出金を行うことが可能です。
秘密鍵はウェブウォレットを提供しているサーバーが管理してくれるため、サーバーのセキュリティが高ければ高いほど安全です。
ただし、利用するウェブウォレットによってはウォレット情報の復元に秘密金が必要になることもあるので、その場合は秘密鍵をどこかに保管しておく必要があります。
ソフトウェアウォレット
ソフトウェアウォレットはパソコンやスマホなどにインストールして使う仮想通貨ウォレットの事を言います。
ウェブウォレットとは違って仮想通貨は全て自分の管理下にあるデバイスで保管することができるほか、POSマイニングに対応した仮想通貨だった場合、マイニングを行うことも可能です。
スマホ向けの仮想通貨ウォレットの場合、初心者でも簡単に使えるように難しい作業が簡略化していることも多く、QRコード読み取りができるものがほとんどであるため、実店舗決済やQRコードで送金アドレスを指定する際にも大変便利です。
ソフトウェアウォレットは非常に種類が多いですが、メジャーなもので言うと「Bitcoin Core」や「Coinomi」、対応仮想通貨種類数が非常に多いものだと「Math Wallet」などがあります。
ハードウェアウォレット
ハードウェアウォレットとは仮想通貨の保管に特化したウォレットデバイスのことをいいます。
こちらはネットワークから完全に切り離すことが可能であるため、ホットウォレットとしてもコールドウォレットとしても使用することが可能です。
ハードウェアウォレットで有名な物は「Ledger Nano S」や「TREZOR」などがあります。
どちらかと言うと仮想通貨を長期保管するために使用することが一般的であるため、頻繁に取引する方にはあまり向いていないウォレットでしょう。
仮想通貨ウォレットおすすめアプリ
一昔前まではスマホ向けのウォレットアプリが充実しておらず、ウェブウォレットやパソコン向けのウォレットソフトを使うことが一般的でした。
しかし今では、非常に多くの仮想通貨に対応したウォレットアプリも続々と登場し始めているため、今は実店舗での決済がしやすい事も含めてウォレットアプリを使うほうが使い勝手が良くなっています。
今回は数ある仮想通貨ウォレットアプリの中でもおすすめできるアプリを3つ紹介します。
Ginco(ギンコ)
運営会社 | 株式会社Ginco |
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対応仮想通貨 | ビットコイン(Bitcoin/BTC) ビットコインキャッシュ(BitcoinCash/BCH) リップル(Ripple/XRP) イーサリアム(Ethereum/ETH) ライトコイン(Litecoin/LTC) オーガー(Augur/REP) DigixDAO(DGD) Kyber(KNC) Enigma(ENG) OmiseGO(OMG) 0x(ZRX) Zilla(ZLA) Status(SNT) Decentraland(MANA) Swissborg(CHSB) TrueUSD(TUSD) |
Gincoは非常に多くの仮想通貨に対応しているウォレットアプリです。
特にイーサリアム系のERC20トークンの仮想通貨に多く対応していて、数千種類ものERC20トークンを保管することが可能です。
また運営会社が日本であるためウォレットアプリ自体も日本語に対応しており、初心者に優しい仮想通貨ウォレットです。
ウォレットの作り方
- Gincoアプリをインストール
- ユーザー名と暗証番号を設定
アプリをインストールして、出金などに使うパスワードを設定したらすぐに利用することができます。
入金用のアドレスも即発行されているので、必要に応じて入金すると良いでしょう。
Yenom(エノム)
運営会社 | 株式会社Yenom |
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対応仮想通貨 | ビットコインキャッシュ(BitcoinCash/BCH) |
Yenomはビットコインキャッシュに特化したウォレットアプリです。
とにかく簡単に仮想通貨が管理したい方向けのウォレットアプリであり、パスワード設定はパスフレーズの保存など面倒な作業は一切ありません。
そのかわり、セキュリティ面に難があるため、Yenomを使用する場合はスマホのロックを勝手に解除されない、端末を紛失しないことが大切です。
ウォレットの作り方
- Yenomアプリをインストール
- アプリ起動後の利用規約に同意する
とにかく簡単に使うことを目的にしたウォレットアプリですので、必要な設定は何もありません。
tokenPocket(トークンポケット)
運営会社 | トークンポケット株式会社 |
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対応仮想通貨 | イーサリアム(Ethereum/ETH) ERC20トークン |
tokenPocketはイーサリアムとERC20トークンに特化した仮想通貨ウォレットアプリです。
ビットコインやリップルといったイーサリアムブロックチェーンが使われていない仮想通貨を保管することができませんが、ICOでよく使われるERC20トークンはほぼ全て対応可能であるため、ICOによく参加する方には使い勝手の良いウォレットアプリです。
ウォレットの作り方
- tokenPocketアプリをインストール
- ウォレット名・パスワードを設定
作成すること自体は簡単ですが、いざという時に備えて必ず秘密鍵のバックアップを取っておきましょう。
バックアップを取っておくとほかのスマホでもウォレットを復元することが可能です。
仮想通貨を安全に管理するためウォレットは必須
仮想通貨取引所もセキュリティには念を入れて対策をしていますが、それでもハッキングの恐れがあるのは事実です。
取引所から大切な資産を盗まれないためにも、仮想通貨は各自で管理することをおすすめします。頻繁に取引することがない限り、仮想通貨ウォレットを利用するようにしましょう。