ブロックチェーン技術においてのプライバシーソリューションを進めるエニグマ(Enigma)がこのほど、テストトークンの配布スケジュールを発表した。テストトークンや秘密ノードに興味がある場合、チェックしておきたい。どのようなスケジュールでテストトークンが配布されるか、発表された内容をもとに確認していく。
エニグマ(Enigma)とは?
ブロックチェーン技術は、分散型ネットワークを構築する上で重要な技術とし注目されている。一定の管理者に依存せず、システムを稼働させるためには、パブリックな台帳にデータを置き、データは誰でも確認できる環境が必要である。ブロックチェーン技術を使うことで、分散型ネットワークの構築が可能となる。しかし、ブロックチェーンの性質上、データはパブリックな台帳に公開されてしまうプライバシーへの懸念がある。
エニグマは、ブロックチェーンで本当に分散化されたネットワークを構築することは難しいと考えている。次世代を作る分散型Webや分散型アプリケーションなどのサービスを扱う上で、データのプライバシーが重要になってくるからだ。エニグマは、ブロックチェーンのプライバシー問題に対応するプロトコル開発を進めている。
最初のノードを決定するGenesis Game
エニグマ(Enigma)では、ネットワークの分権化に重きを置いている。そのため、ネットワークを稼働させるための最初のノードを公正な方法で選び、テストネットで稼働時間やセキュリティなどの要件に基づきスコアリングされる。これがジェネシスゲーム(Genesis Game)と呼ばれるものだ。
ジェネシスゲームに参加するために、エニグマのトークンであるENGトークンを自身が管理するウォレットに保管する必要がある。取引所に保管している場合は、自身のウォレットに移動させなければならない。
テストトークンの分配
自身のENGトークンの保有がウォレットごとに30日間スナップショットされる。スナップショットの開始日は2019年8月26日。最終日は2019年9月24日と発表された。スナップショットはランダムな時間で取得されるようだ。そして、平均保有量(スナップショットの合計を30で割ったもの)に基づいてテストトークンが配布されることとなる。
ジェネシスゲームで秘密ノードを実行し、メインネット稼働時のノード(ジェネシス ノード)として選ばれるためには、このテストトークンが必要となる。
今後のスケジュールまとめ
- スナップショット期間(2019年8月26日〜2019年9月24日)
- 平均保有量の計算
- テストトークンの配布
- プロトコルのディスカバリーリリース(テストネットの開始)
- ジェネシスゲームの開始(4〜8週間)
- ジェネシスノードの選定(ジェネシスゲームのスコアリングにより決定)
社会的にも個人データなどのプライバシー問題が多く浮上してきているように思う。分散型ネットワークにおけるプライバシーの課題はまだまだ残っているが、次世代のソリューションとして分散型のサービスを提供する場合、プライバシーへの認識が必要となってくると考えられる。プライバシーの課題にどう取り組むかがブロックチェーンにおける分散ネットワークの成熟にもつながるのではないだろうか。
参考
・ENG Mainnet Token Snapshot: Dates and Next Steps
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