ライトニングネットワーク(Lightning Network)上のビットコインとERC20トークンのアトミックスワップが実行されたそうです。ライトニングネットワークは、双方向のペイメントチャネルで、オンチェーンでトランザクションできないビットコインの取引をオフチェーンで担うことや、マイクロペイメントでの新しい体験が期待されています。
世界初ビットコインとERC20トークンがLN上でアトミックスワップを完了
今回のERC20トークンとのアトミックスワップは、cobloxによる実験でした。cobloxは、暗号通貨のアセットをデビットカードにのせるプロジェクトであるTenXの傘下にある、クロスチェーンをリサーチしているオーストラリアを拠点のチームです。
世界で初めてライトニングネットワーク上のビットコインとERC20トークンの交換のブロックチェーンの情報は下記です。
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このクロスチェーンの技術はCOMITと呼ばれるもので、このスワップ完了の翌日にオープンソースにしました。COMITは、オフチェーンのクロスチェーンスワッププロトコルです。ペイメントチャネルとハッシュドタイムロック契約(HTLC)と流動性を供給するプレーヤーを組み合わせた技術仕様です。(参照)
また、現段階では 「ERC20 >> BTC ON LN」の交換は出来ても、「BTC ON LN >> ERC20」の交換は出来ないとしています。
いずれも一般製品とは程遠い位ですが、ライトニングネットワークなどのレイヤー2は、将来DEX(分散型取引所)などにも繋がります。
ライトニングネットワーク(Lightning Network)の大幅な進捗
ライトニングネットワーク(Lightning Network)自体ですが、メインネットで稼働し始めています。まだ実験的なレベルであり、多額のビットコイン(BTC)を送金をすることは、キャパシティの関係で出来なかったりしますが、ライトニングノードの数は劇的に増加しています。
まだギークしか利用できないようなものですが、ライトニングネットワークが、より使いやすくなる未来はかなり角度が高いと言えるでしょう。執筆時点で約2万のチャネルが開いており、500BTC近くがライトニングネットワーク上にデポジットされています。
出典:Grafana
このノードやデポジットの増加の背景には、Casa Nodesの出荷が始まった背景が大きいです。Casa Nodeは、300ドル(約34,000円)で販売しているビットコインのフルノードとライトニングノードを簡単にセットアップできるハードウェアです。
コマンドラインなしで誰でもフルノード建てて、ライトニングネットワークでのペイメントも簡単にできるというライトギークが好きそうなハードウェアです。
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SegWit(セグウィット)トランザクションの増加が10%→45%
またビットコインのネットワーク全体では、Segwit(セグウィット)を用いたトランザクションが増加しています。2018年初に10%だったSegwitトランザクションは、45%にまで増加しました。
このSegwitトランザクションの増加は、次にトランザクションが混雑するタイミングに手数料増加を軽減させることに繋がりますし、ライトニングネットワークなどの先端技術はSegwitありきで使えるものなので、Segwitのアダプションはポジティブです。
このようにライトニングネットワークのアダプションの下準備が整いつつあり、同時に冒頭で紹介したようなオフチェーンでのクロスチェーンスワップのような先端技術もさらに開発されています。
一般ユーザーが気軽にライトニングネットワークを用いたプロダクトは日本初でHashHubからもリリースされる予定です。
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