暗号資産(仮想通貨)の価格や供給量、取引量、時価総額などを一覧できるサイトとして信用され利用されてきたコインマーケットキャップ(CoinMarketCap)が、9月2日から全く新しいランキングシステムの試験的運用を開始しました。これは同社指数が取引量の水増しなどが、全く信用できないものだという業界や利用者の批判に応えるものです。
取引量ともに流動性解析数値を使って200種の仮想通貨の取引データ公表
仮想通貨市場の取引量は、仮想売買など不正行為や水増しデータが横行していることは広く知れている事実です。新たなランキングシステムは、時々刻々変化する取引量データとともに流動性数値などに基づいて、200種の仮想通貨の取引データを発表します。
批判の矢面に立っていたCoinMarketCapは、8月31日のツイッター上で、新システム運用について、「9月2日から、すべての暗号資産をより一層正確に表示するため、当社ランキング方法を変更する試験的運用を開始する」と発表しました。
新たなランキング手法の採用に当たって、CoinMarketCapは「暗号資産はすべての資産を比較するに当たって、これまで以上に公正に表示されことになる」と約束しています。例えば、これまでのシステム運用で、一部のコインのランキングが基準に合わず大きく下落したことが分かりました。CoinMarketCapは新システムで、このような問題点をすべて修正しています。
流動性評価に基づく新システムの正式開始は11月12日から
CoinMarketCapは8月末の自社ブログで、「9月2日に公表される新たな変更は、ランキングが正しく、合理化されて表示されることによって、すべての仮想通貨のランキングが適切に表示されるようになる」と説明しています。仮想通貨取引プラットフォームの流動性評価に対する新しいシステムは、テスト後の11月12日から正式に実施されます。
CoinMarketCapによると、この流動性解析数値は、最終的には市場ペアを考慮に入れ、取引所のランキングやプロジェクトの中に入る他の数値と結び付け、関連付けされます。同社は「引き続きユーザーの意見に基づき流動性数値を精査し、ユーザーのさらなる意見を歓迎する」と、ブログで述べています。
最低限3取引所の流動性/取引報告に基づいてランキング
CoinMarketCapは、報告された取引量だけに基づいたランキングが正しくなかったことを認めました。新システムでは、最低限3つの取引所から登録された「重要な流動性/取引活動」に基づいて、200種の仮想通貨をランク付けします。公平性の観点から重視されるのは流動性に基づく解析数値であり、以下のような特質(属性)を持った指標を導入します。
- ニューメリック(数値):名目利益率(名義人の利益)
- 24時間移動平均:注文書の深さに関する不定期かつ一定期間のポーリング
- ゲームの困難性:暗号資産の流動性に基づくダイナミックなポーリングの深さ
- クロス適用:流動性に適応する変数として、すべての暗号資産に適用
CoinMarketCapの騒ぎの始まりは、 ビットワイズ・アセット・マネジメント(Bitwise Asset Management)とアラメダ・リサーチ(Alameda Research)両社が19年初め、65~95%の取引所が取引量を操作したり、完全に偽って報告している事実を突き止めて公表したことで明るみに出ました。
CoinMarketCapは、人為的に操作され水増しされた取引所のデータをそのまま公表してきました。事実、トップ25の取引所の75%が、人為的に操作された取引量を報告していたとされています。
参考
・Ranking methodology updated! New metric coming soon
・CoinMarketCap’s New Crypto Ranking System Kicks-In Starting Today
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