ビットコイン(BTC)市況
米NYダウと日経平均株価が大幅続落した反面、ビットコイン(BTC)価格は下げ渋っている。香港情勢がデモ隊の衝突で緊迫化する中、テザー(USDT)の出来高は増加傾向に。

仮想通貨市況

国際金融市場では、NYダウが前日比500ドル安、日経平均株価も450円安となるなど大幅続落した。

最新の米経済指標(SM製造業景況指数、ADP雇用統計)が景気減速懸念を強め、リスクオフに傾いた。不安心理をの高まりを示唆するVIX指数のほか、米国債とゴールドが上昇しており、避難資産への退避行動も目立つ。

テザー出来高増加の背景

Bloombergは2日、CMCのデータでの月間取引高が最も高い仮想通貨は、ビットコイン(BTC)ではなくテザー(USDT)であると言及した。

ステーブルコインであるテザーの取引高は、ビットコインが高騰した今年4月以降にビットコインの取引高を初めて上回り、8月前半以降の1日当たりの取引高は約210億ドル(約2.2兆円)に及んだ。直近の毎月の取引量は、ビットコイン(BTC)を約18%上回る。

テザーの出来高増加の背景には、仮想通貨取引が禁じられている中国や香港のような国でのOTC需要拡大が挙げられる。英ロンドンや米ニューヨークと並ぶ世界三大金融センターと評される香港では、現在、犯罪容疑者の中国本土への引き渡しを認める「逃亡犯条例」の改正案に反対する大規模デモが発生しており、富裕層を中心に資産を海外に逃がす動きが加速している。

政情不安が続く中、P2P方式の仮想通貨取引所LocalBitcoinsでは、直近で過去3番目となる1.5億円の週間出来高を記録した。

出典 : The Block

関連:大規模デモ激化の香港 ビットコインの出来高が急増

一方、テザーをめぐる相場操縦疑惑など不透明な資金の動きは、市場でも度々取りざたされてきた。現在、テザー社と仮想通貨取引所Bitfinexの親企業iFinexは、ニューヨーク司法当局NYAGと係争状態にあり、俗に言う「テザー裁判」の長期化で、市場の懸念を払拭できずにいる。

関連:テザー裁判:NY司法当局が裁判の引き伸ばしを懸念 財務書類を再び要求する文書を提出

ビットコイン(BTC)市況

ビットコイン(BTC)は、ほぼ横ばいで推移。 再び大幅反落するとの見方も多くある中、金融市場のリスクオフは中・長期で追い風にもなり得ることから、相場に迷いも見受けられる。

現在、8484ドルを推移する1D200日移動平均線に頭を押さえつけられている状態だ。(下図:BitMEX)

4h雲に沿って下落していたが、日本時間1時頃に切り返した。このまま雲に突入して93〜94万円(8600〜8700ドル)の戻り高値を超えてきた場合には買い方が勢いづくことから、97万円〜100万円(9000〜9200ドル)付近までの上昇もあり得るが、9000ドルまで一気に戻すようなことがあれば、一旦強めの売りが入ることが予想される。(下図:bitFlyer)

いずれにせよ、反転上昇を目指すためには毀損した資産余力や市場心理の改善が不可欠なことから、日柄調整は必要か。

ビットコイン市場分析と今後の展望については、仮想通貨の著名トレーダー「響」氏がマイナー損益ラインとチャートから独自考察。BTCオプションや個人のポジション動向と併せて、詳しく解説している。

マイナー損益ラインとチャートから見るビットコイン価格考察|仮想通貨市況(寄稿:響)
ビットコイン市場におけるマイナー損益ラインとチャートから、仮想通貨の著名トレーダー「響」が独自考察。BTCオプションや個人のポジション動向と併せて、今後の展望を探る。

CoinPostの関連記事

『日本の仮想通貨市場復活のために』業界最先端のトレーディングツール、デコチャート開発秘話
仮想通貨業界の有志が共同開発する、最先端の仮想通貨トレーディングツール「DECOCHART」プロジェクト。CoinPostの取材で、開発の舞台裏や今後のビジョンが明らかとなった。
仮想通貨「最重要ファンダ」予定表:ビットコイン、リップル(XRP)、イーサリアム、ネム等【9/28更新】
仮想通貨市場価格に影響を与え得る様々な最新情報を随時更新。あらかじめイベントをチェックしておくことで、トレードの投資判断に役立てることができる。
おすすめの記事