- モルガン・スタンレーに巨額罰金|マネーロンダリング問題を巡る伝統金融と仮想通貨の現実
- ロイター通信は木曜日、モルガン・スタンレーが米国の自主規制機関の金融取引業規制機構FINRAにより、マネーロンダリング違反の理由で、約11億円の罰金を課したと報じた。11月だけで、3つの巨大バンクが同問題で法的捜査などを受けている。仮想通貨界隈からは規制者のスタンスが偏っていると指摘する声が出ている。
モルガン・スタンレー、マネロン違反で罰金
ロイター通信 は木曜日、米ウォール街のメガバンクの1つであるモルガン・スタンレーが米国の自主規制機関の金融取引業規制機構FINRA(Financial Industry Regulatory Authority)により、マネーロンダリング違反の理由で、1000万ドル(≒11億円)の罰金を課したと報じた。
事件の報道詳細として、モルガン・スタンレーは2011年1月から2016年4月の間、自社の仲介業部門がアンチ・マネーロンダリング規制のコンプライアンスを遵守しなかったことで、ペナルティーを受けたという。
FINRAは、モルガン・スタンレーがデータシステムの稼働問題で、巨額な米ドル・外貨の送金を追跡することが遮断され、中には、マネーロンダリングに利用されやすい入出金先の国が含まれていたと主張している。
また、モルガン・スタンレーはFINRAの主張に対して、肯定も否定もせず罰金に同意した。
マネーロンダリング違反のほか、2011年〜2013年において、投機的安物株(ペニー・ストック)におけるクライアントからの27億の株シェアに対する監視が行き届かなかったことも指摘されている。
伝統金融におけるマネロン違反、仮想通貨業は矛先か
SNS上の人気仮想通貨アナリストJoseph Young氏は、モルガン・スタンレーのマネロン違反に対して、このように伝統金融でよく見られる「お金の悪用」を指摘している。
Cryptocurrenciess are criminal money they said. Crypto exchanges are tools for crime syndicates they said.
Another day, another bank gets fined for money laundering. Today is Morgan Stanley Joseph Young (@iamjosephyoung) 2018年12月27日
政府や金融規制者はよく、仮想通貨が犯罪のマネー、仮想通貨取引所が犯罪組織の道具と言っているが、このように、また銀行がマネーロンダリング違反の理由で罰金を受けた。今度はモルガン・スタンレーの番だ。
Young氏や他の仮想通貨支持者は、以前より、規制者・政府が仮想通貨に対するスタンスが不公平であり、実際、長年マネーロンダリング犯罪者に悪用されてきた業界は、伝統的な金融業界であると指摘した。
つい先日、今年最後のG20会議において、仮想通貨に関するマネーロンダリングと脱税防止を問題視し、これを防ぐために国際的なデジタル課税制度などの措置を設けることに決定した。
また今年では、韓国、日本、イギリス、米国など複数の国・地域でも仮想通貨による犯罪的利用にフォーカスした法案・措置が提出されており、新興の仮想通貨業に対する厳格な体制が見られている。
例えば、マネーロンダリング・テロ資金の供与を防止・抑制する国際機関FATFは先日、イギリスの財務省に対して、その分野における規制が不十分であると指摘し、さらなる規制の強化を要請したことが報じられている。
このような仮想通貨に関する規制に関して、米SECの共同ディレクターSteven Peikin氏も仮想通貨規制における世界的な協力、共通が必要不可欠と唱えていることも挙げられる。
直近の銀行マネロン違反
- デンマーク最大規模のDanske銀行は11月、司法省の検察側にエストニアにの支部におけるマネーロンダリング対策を違反した疑いで予審の手続きを行なった。
- 同じく11月、世界有数のメガバンク=ドイツ銀の2人のバンカーがクライアントにマネーロンダリングを協力したことで、警察は銀行の本部で、強制捜査をした。
- また11月、米連邦検察側が、三菱UFJ銀行が米経済制裁の対象国であるランの関連事業におけるアンチ・マネーロンダリング法律の違反に対し、捜査を行なっていることが報じていた。
このように、銀行のような伝統的な金融機関のマネーロンダリング違反が絶えない中、新たな規制対象とされている仮想通貨に関して今後も注目が必要だと言える。
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