暗号通貨を深く理解しているほうが投資パフォーマンスも高くなるという調査結果

日本銀行が金融リテラシー調査を発表しました。同調査は、日本銀行が個人を対象に3月に行った調査で、ビットコイン(BTC)などの暗号通貨を入手したことがある人は7.8%であることが明らかになりました。

暗号通貨で利益が出たのは18%

暗号通貨を入手した人のうち、「利益が出た」と答えた人が18%なのに対し、「損失が出た」人は31%、これは暗号通貨相場全体が下落した2018年のあとの調査なので仕方ない結果でしょう。

一方で興味深い点は、暗号通貨を深く理解しているほうが投資パフォーマンスも高くなるという調査結果です。調査によると、「いわゆる仮想通貨について、人に教えられるくらい詳しく理解していた」上で暗号資産へ投資した人は17%で、この層の40%が利益が出たと答えています。損失が出た人の21%を上回った結果で、理解度の低い層では利益が出た人は14%でした。

ギャンブルのように思われることもある暗号通貨投資ですが、理解度の差が投資パフォーマンスに影響していることが明らかになりました。

十分な知識があれば「雰囲気での売買」から卒業できる

知識があれば投資パフォーマンスもよくなるということは当たり前のことですが、具体的にはどのようなことが考えられるでしょうか。いくつか例をあげましょう。

例えば、最近ではGoogleの量子コンピュータ関連の論文が発表されたことで同日ビットコインが値下がりしました。しかしながら、同研究がビットコインの脅威になることなどない事実は下記のコラムで説明した通りです。

関連:暗号通貨投資家が認識しておくべき量子コンピュータがビットコインの脅威になるか否か

このとき十分な知識がない人ならば狼狽売りをしてしまう可能性もありますが、十分な知識を持っていればこれを理由にビットコインを売却することはあり得ないでしょう(短期トレードなら話は別ですが)。

むしろファンダメンタルと関係なく大きく下落しているので、良い買い場であるとも判断できます。実際にこのときの下落は良い買い場であったと後から振り返ることができます。

また、十分な知識があれば、未だにSNS上で横行している「インフルエンサーによる押しコイン」も自分で評価ができるようになるはずで、雰囲気での売買から卒業できます。

暗号通貨の知識はどのように収集する?

では十分な知識はどのようして獲得できるのでしょうか。まずはビットコインがどのように動いているか、ブロックチェーンの仕組みとはなにかを理解することです。

ハッシュアルゴリズムやプルーフ・オブ・ワーク(PoW)、マイニングとは何かというところまでさまざまです。これらの知識は投資とは別物じゃないか、と思う方もいるかもしれませんが、実際に調査結果で明らかになっているように、理解度が高いほうが投資成績は良いです。

それは、さまざまな場面で自信を持って判断ができるようになり、上述した雰囲気での売買」から卒業できるからでしょう。少額の投資ならこれらの勉強は必要ないかもしれません。しかし、その人にとって大きな金額を暗号通貨に投資をしようとしているならば、学習は絶対に必要です。

暗号通貨の仕組みや歴史の基礎学習としては、『仮想通貨の教科書(』や『いちばんやさしいブロックチェーンの教本 人気講師が教えるビットコインを支える仕組み 』が良い書籍です。

また、国内でも信頼できる情報サイトが少しずつ増えており、また手前味噌ですが、筆者の会社が運営している有料のレポートプロバイダd10n Labも一般的な無料媒体より深い分析やレポートを配信していて、理解に繋がるでしょう。暗号通貨の仕組みやある程度の技術的理解は投資成績に結びつきます。理解をしながら投資でもパフォーマンスを出せることが望ましいです。

ビットコイン(BTC)の価格・相場・チャート

【こんな記事も読まれています】
BNBやHTなど取引所トークンは今でもまだ良い投資対象なのか?
ビットコイン(BTC)に投資をするべき5つの理由
2020年前半にかけて大型の新興ブロックチェーンが上場、投資家が行うべき行動とは?


d10n Labのリサーチコミュニティでは、ブロックチェーン業界の動向解説から、更に深いビジネス分析、技術解説、その他多くの考察やレポート配信を月に20本以上の頻度で行なっています。コミュニティでは議論も行えるようにしており、ブロックチェーン領域に積極的な大企業・スタートアップ、個人の多くに利用頂いています。
▼d10n lab 未来を思考するための離合集散的コミュニティ
https://d10nlab.com

おすすめの記事