さまざまなレンディングプロトコルに自動で貸し出しができるRAYとは?

多様化するレンディングサービス

暗号通貨のレンディングが一般化して久しいです。CeFiと呼ばれる中央集権型のサービス(BlockFiやCrypto.comなど)と分散型金融のDeFi(Compoundやdydxなど)に大きく分かれます。

CeFiは単一の企業がカストディをするサービスでユーザーはその企業を信用する必要があります。DeFiでは、ある企業のカストディなどを必要とすることなく、スマートコントラクトを通してレンディングが可能です。

今回のコラムで特に触れるものは後者の分散型金融のレンディングについてですが、分散型金融のレンディングプロトコル・アプリケーションは種類が非常に増えています。各プロトコルごとに金利は異なり、比較サイトはリアルタイムで金利を表示しています。

センタリング
出典:LoanScan

レンディングプロトコルに自動で貸し出しができるスマートコントラクト

レンディングができるプロトコルでは、その数は多くそれらを使い分けることが既に難しいです。ステークド(Staked)が提供するロボ・アドバイザー・フォー・イールド(RAY:Robo-Advisor for Yield)はこれを解決します。

RAYを経由してレンディングをすることで、コンパウンド(Compound)とdYdX 、bZxの3つのプロトコルから金利が最も高いプロトコルに貸出先をリバランスします。リバランスする際にトランザクション手数料はかかってしまいますが、最も高いレンディング金利を得れる可能性が高い設計になっています。

下記は実際に1ヶ月実験をしたユーザの実績ですが、さまざまな単一のプロトコルのレンディングを利用した場合と比べてより高い金利収入を得れたことが実証されています。

サービス化して利用されるスマートコントラクト

興味深いのは、Stakedの提供するRAYもスマートコントラクトである点です。Compoundなど複数のプロトコル(当然これらもスマートコントラクト)へのアクセスをスマートコントラクトで提供しています。

Stakedの提供しているユーザーにとっての付加価値は、単一プロトコルにレンディングするより高い金利を得れることを期待できることです。この付加価値を得れることの見返りにリバランスのたびにStakedが少額の手数料をもらうというような設計もコントラクトにロジックを組み込むことでビジネスモデルを構築することは可能でしょう。

このようなサービス化して利用されるスマートコントラクトの事例は他にもいくつか登場しており、インスタダップ(InstaDApp)などが存在します。ユーザーエクスペリエンスとしてはウォレットですが、EOAではなくコントラクトアドレスで構築されているウォレットです。

これらはコントラクトウォレットと呼ばれる種類です。これらは自動でさまざまなレンディングプロトコルと繋ぎ込みをしたり、3分の2のマルチシグを実装しているなどの特徴があります。

今後、このようなサービス化して利用されるスマートコントラクトは増えるでしょう。
そして、それこそがそれこそがプログラム可能なアセットの利点を引き出すことになります。

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