ETHのインフレ

イーサリアム(ETH)開発チームは、12月7日に予定される大型アップグレード「イスタンブール」の実装後より、ディフィカルティ・ボム(難易度爆弾)を遅らせる方針を決定した。

この議論には、イーサリアム開発者だけでなく、マイナーや、その他関係者も参加。満場一致で、「ディフィカルティボム」を延期するという提案を支持した。

「難易度爆弾(ディフィカルティ・ボム)」は、コンセンサスアルゴリズムをProof of WorkからProof of Stakeに変更するハードフォーク時に、マイナーが古いPoWのチェーンに残ってしまうことを防ぎ、PoWからPoSへのスムーズな移行を可能にすることを目的として導入された方策だ。

パブリックチェーンであることから、PoWチェーンにマイナーが残る懸念があるが、デフィカルティを上げ、報酬を得ることが難しくなる状況を意図的に作ることで、新チェーンへの移行をスムーズに行う。

これまで、このデフィカルティボムの仕組みが影響し、マイニングが難しくなり、チェーンが伸びなくなった状態の「アイスエイジ」が、複数回確認されており、1日あたりの報酬額などへの影響も見られていた。

これまで数回のハードフォークで、デフィカルティボムの実行ブロックは延期されていたが、今回は約2年間の延期と試算されている。

PoSヘの移行目処などが影響する事例だけに、業界の注目度も高い。

イーサリアムソリューション企業PegaSysの責任者Tim Beiko氏は、会議後に「異議がなかったため、ブロック番号920万で実装するという大枠の合意に達したようだ」と説明、またこのアップグレードを「マウンテン・グレイシャー」と呼ぶことを明かした。

「マウンテン・グレイシャー」の実装は、概ね1月6日に行う予定だという。

開発者達は「マウンテン・グレイシャー」を実装することで、難易度爆弾を400万ブロック遅らせることに同意。15秒のブロックで700日、約2年かかることになるとの試算だ。この延期が実施された場合、2021年の終わり、または2022年初頭まで爆弾は作動しないと想定される。

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