Facebookが主導をするリブラ(Libra)は、さまざまなインターネット大企業が参画していますが、同じような流れがアジア地域でも起こっています。クレイトン(Klaytn)は複数の企業をコンソーシアムとしたアプリケーションプラットフォームのブロックチェーンです。
韓国のインターネットコングロマリットであるKakaoが主導したプロジェクトで、コンソーシアムは韓国の大企業が中心になっていることから、韓国版Libraとも言われることがあります。
Klaytnに参画する20以上の企業
Klaytnの参画企業は以下の通りです。(2019年11月時点)
出典:Klaytn
Kakaoのブロックチェーン特化子会社であるGROUND Xが主導しており、参画企業の半数近くのKakaoグループの関連会社が含まれます。他には、電気機器大手のLG、アジア各国で通信事業を展開するマレーシアのコングロマリット Axiata、取引所のバイナンス(Binance)などが含まれます。
また、日本企業からGumiとCOCONEが参画しており、この2社はいずれもゲーム開発会社です。これらの企業により、Klaytnのノード管理、およびガバナンス・カウンシル(運営評議会) が行われます。
20数社が参画している形になりますが、それぞれの企業はグループ会社または資本関係を持っていることを考慮すると、集権性は高いと感じざるを得ません。
Klaytn概要
Klaytnは、BFT-PoSをベースにしたブロックチェーンです。ブロック生成をすることになるノードは決められた企業から構成されるものの、ユーザーはトランザクションやブロックチェーンを閲覧することができ、パブリックブロックチェーンであるとしています。
Klaytnは、2019年6月にメインネットがローンチしています。複数の企業が参画するという以外でのKlaytnの特徴は以下のようになっています。
EVM互換
Klaytnは、イーサリアム(Ethereum)をベースとしており、EVMの互換性とSolidityによるアプリケーション開発が可能です。開発者は新しい言語やスマートコントラクトのロジックを学ぶことなく、Klaytn上で開発ができます。
少数ノードによる高速なトランザクション
前述した通り、韓国の大企業複数からなるコンソーシアムでノードが管理されており、少数ノードでブロック伝播を行い高速なトランザクションを実現しています。同プロジェクトによると、秒間4,000のトランザクション性能が実現していると公表されています。
Service Chain
サイドチェーンの仕組みがプロトコルレベルで用意されており、アプリケーション開発者はスケーラビリティの心配が不要です。
複数のサブネットワークによる多層的なアーキテクチャ
Klaytnは、複数のサブネットワークによる多層的なアーキテクチャを採用しており、スケーラビリティを確保しています。
韓国で高まるブロックチェーンへの熱
韓国のブロックチェーン技術への熱は、今年に入って特に高まっていて、それはこちらのコラムで示した通りです。
Klaytnの動きもこのような背景があってこそでしょう。Klaytnについてさらに技術的な詳細や周辺プロジェクトについてのレポートはこちらの記事で詳しく解説しています。
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