UI/UXに優れた新しいハードウェアウォレット「ELLIPAL」の仕組み・使い方

新しいハードウェアウォレットを試しました。「ELLIPAL」というハードウェアウォレットで、彼ら(開発者)は自身のプロダクトを「コールドウォレット2.0」と表現しています。

実際のところTrezor(トレザー)やLedger(レジャー)など既存のハードウェアウォレットと異なる新しい箇所はかなり多く、興味深いガジェットでしたのでレビューします。

コールドウォレット2.0

UI/UXに優れた新しいハードウェアウォレット「ELLIPAL」の仕組み・使い方出典:ELLIPAL

まず、このハードウェアウォレットで特徴的な点は、スマートフォンライクなハードウェアなところです。この点に関して、Trezorのような小さい画面で管理をするようなハードウェアよりUI/UXが向上しています。

UI/UXに優れた新しいハードウェアウォレット「ELLIPAL」の仕組み・使い方

そして、このハードウェアウォレットの特徴的な点としては、オンラインにつなぐ必要が全くないことです。通常のハードウェアウォレットは、普段はネットワークに切り離して資産を保管していても、トランザクションを行う時は、PCに接続をしてネットワークに接続します。

このELLIPALの場合は、PCに接続することをせずに、暗号通貨の引き出しも可能です(仕組みや使い方は後述します)。

UI/UXに優れた新しいハードウェアウォレット「ELLIPAL」の仕組み・使い方

ELLIPALの使い方

ELLIPALの特徴的な点、そしてハードウェアウォレットの特徴的な点としても挙げられるのがモバイルウォレットの連携です。ハードウェアウォレットで生成したアドレスを、モバイルウォレットで連携が可能です。アドレスをトラッキングして、受け取りや受け取りの確認などが行えます。

さらに相場確認のマーケットモニタリングツールなども含まれており、オールインのモバイルアプリを目指しているようです。

ただしELLIPALはあくまでハードウェアウォレットで、秘密鍵はコールドストレージに入っています。

つまり、スマートフォンのアプリからはトランザクションの作成・送金は行なえません。
逆に言えば、トランザクションの作成以外の以外のことは全てモバイルアプリで出来ます。

UI/UXに優れた新しいハードウェアウォレット「ELLIPAL」の仕組み・使い方出典:ELLIPAL

なお、下記が公式のチュートリアル動画です。

対応している通貨は下記の通りです。

UI/UXに優れた新しいハードウェアウォレット「ELLIPAL」の仕組み・使い方

ネットワークに接続しないウォレットがどのようにトランザクションを作成するか

トランザクションの生成は下記の手順になります。

手順1:スマホアプリから未署名のQRコードを生成

ELLIPALのスマートフォンアプリからトランザクションを生成する、というところを押します。しかしスマートフォンには秘密鍵は入っていないのでトランザクションはできません。そこで未署名のQRコードがスマートフォンの画面に生成されます。

UI/UXに優れた新しいハードウェアウォレット「ELLIPAL」の仕組み・使い方

手順2:QRコードをハードウェアウォレットでスキャン

ELLIPALのハードウェアウォレットには未署名のQRコードをスキャンするという欄があり、そのQRコードをハードウェアウォレットからスキャンします。

UI/UXに優れた新しいハードウェアウォレット「ELLIPAL」の仕組み・使い方

手順3:データがQRコードとして画面に写し出される

スキャンが完了すると、ハードウェアウォレットはその後に署名が完了するデータ内容をQRコードとして画面に写します。

手順4:スマホカメラでQRコード読み取り

今度はこれをスマートフォンのアプリからカメラで読み取り、この署名のデータを持って、トランザクションを実行します。

手順5:ハードウェアウォレット側で完了作業

最後にハードウェアウォレット側から確認を押し、完了です。

UI/UXに優れた新しいハードウェアウォレット「ELLIPAL」の仕組み・使い方

このようにすることでハードウェアウォレット自体はネットワークに接続することなく、そして秘密鍵はスマートフォンに保管しないまま、トランザクションが生成できます。

ハードウェアウォレットをなくした場合でも、復元フレーズがあれば、ウォレットの復元は可能です。

UI/UXに優れた新しいハードウェアウォレット「ELLIPAL」の仕組み・使い方

感想・レビュー

手順解説は以上となります。
本コラムでは、新しいハードウェアである「ELLIPAL」を紹介しました。
面白いプロダクトではないでしょうか。

対応ブロックチェーンも多く、スマートフォンライクなUIは好印象です。

懸念点としてはオープンソース化されていないことですが、オープンソースであるからといって、安全というわけでもなく(オープンソースだが違う実装がハードウェアにされている可能性もあるため)、一概に「だから駄目」とは評価できないでしょう。

今後使っていければと思います。

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