ビットコイン(BTC)開発者は資金提供されているのかボランティアか?

ビットコイン(BTC)は、数ある暗号資産(仮想通貨)の中心的存在としての地位を確実にしていますが、その取引やマイニング(採掘)を支えるプログラム「Bitcoin Core(ビットコインコア)」のデベロッパー(開発者)たちの影の努力を理解している人は何人いるでしょうか?

その開発に全面的に携わり、研究・開発資金を提供されているデベロッパーの数は、極めて限られています。残りの大勢はほぼ自前で開発に貢献しているのが現実です。

今あるビットコイン(BTC)は開発者の努力のたまもの

ビットコイン(BTC)は2009年に誕生して以来、多数のデベロッパーがBitcoin Coreのバージョンアップに貢献してきました。今あるBTCは換言すれば、長期にわたるプログラミング努力の積み重ねの産物であり、デベロッパーはそれぞれバグをつぶし、ソフトウエアアップグレードに貢献するなどの重要なタスクの一端を担ってきました。

ここで持ち上がる1つの疑問は、これら血の出るような努力に誰が資金を提供しているのかということです。デベロッパーは多くはボランティアなのか?あるいはデベロッパーは、関心のある第三者の資金供与で支えられているのか?という疑問です。

開発資金を提供はほんの一部の開発者だけ

匿名希望のあるデベロッパーによると、限られた数のプログラマーが、資金を提供されてフルタイムで開発に携わっています。同氏は仮想通貨メディアのcryptonews(クリプトニュース)に対して、「2019年には、150人の開発者がBitcoin Coreに対するプルリクエストに貢献していた。この内、20~25人が資金提供もしくは報酬をもらって働いていた。この人数が100人に近づけばいいと思う」と語りました。

ちなみにプルリクエストとは、コードの誤りはバグをつぶすため、開発者のリポジトリ(repository)を他の開発者から変更してもらう機能のことです。

同氏によると、別の20-25人はフルタイムとボランティアの中間的な立場の規則的なパートタイマーであり、それぞれ異なる金額の支援を得ている人達です。しかし多くのデベロッパーは、資金提供も受けずに働いているそうです。

開発資金提供者は取引所や関連企業そして個人

さらにもう1つの重要な疑問があります。資金提供者とはだれなのかという疑問です。デベロッパーの1人であるジミー・ソン(Jimmy Song)氏は、資金提供者について「通常はビットコインから利益を得ている個人もしくは企業」と語っています。

その企業とは例えば、ブロックチェーン(Blockchain.com)、イットビット(itBit)、スクエア(Square)、チェーンコードラボ(Chaincode Labs)など、仮想通貨取引所をはじめ多くの関連企業。資金提供を受ける開発者に特定の条件はありませんが、「その面で定評がなくてはならない」とされる人々です。別の匿名希望のデベロッパーは、資金提供者は取引所、パトロンとR&D組織、そして個人の3つに分類しています。

ビットコイン開発の将来性について言えば、業界がより広範に統合することで、資金源の集中が起きる可能性があります。その結果、ビットコインが限られたプレーヤーの関心を優先する方向で開発される、ある種のリスクが起こる可能性があります。しかし、あるデベロッパーが語るように、提供者の数が1人ずつ増えて10人になれば、それがフルタイムで働く10人のデベロッパーに資金が提供され、資金調達の多様性につながる可能性が広がります。

ビットコイン(BTC)の価格・相場・チャート

参考
Who Funds Bitcoin Developers?

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