2018年にブロックチェーンプロジェクト・ICO・STOへの投資を統計した詳細レポートが発表

2018年のブロックチェーンプロジェクト、ICO、STOへの投資を統計した詳細なレポートが発表されました。このレポートを出した会社は「INWARA」という会社で、主に投資家・ファンド向けに、ICO・STOなどの情報を提供しているリサーチ会社です。

今回、発表されたレポートは40ページのボリュームあるレポートで、2018年の業界でのVC投資状況がよくまとまっています。レポートのダウンロードは下記のリンクから可能です。

参照:ICO Funds and Trends Analysis 2018

本コラムでは、いくつかのハイライト、特に筆者が気になった項目をピックアップします。

2018年はVC投資が大きく増えるも、Q4では投資額が減退

2018年はベアマーケットでしたが、そのベアマーケットの中でもVC(クリプトファンド)からは継続的な投資が行われていました。a16z(アンドリーセン・ホロウィッツが設立した仮想通貨ファンド)は$300Million(約327億円)のクリプトファンドを組成、その他多くの新規のファンドが立ち上がりました。

しかし、そのベアマーケットのなかでも継続的に投資を行ってきたVCからの投資も、2018のQ4(第4四半期)は落ちているということがINWARAの資料から確認できます。ただし、2018年のトータルでの投資金額は$6Billion(約6,532億円)で、前年2017年の$2.7Billion(約2,940億円)の2倍位以上になっており、やはり非常に大きいと言えます。

2018年にブロックチェーンプロジェクト・ICO・STOへの投資を統計した詳細なレポートが発表

ST(セキュリティトークン/証券トークン)の増加

バズワードの一つである証券のトークン化、つまりST(Security Token)ですが、すでにSTはある程度の規模で投資が行われていることが確認できます。以下は、STO(Security Token Offerings)を行ったプロジェクトの規模を比較したインフォグラフィックです。

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下記の図は、STのトークン規格のドミナンスです。現状は多くのSTがERC20を使用していますが、Security Tokenのために作られた規格であるST20を採用するプロジェクトも増えています。

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ブロックチェーンプロジェクトの多い国、トップは米国

調達したブロックチェーンプロジェクトがどこの国であるかは、レポートによるとアメリカ、中国、UKの順番で多いです。

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ブロックチェーンプロジェクトに最も投資をしているVC

資料によると、ブロックチェーンプロジェクトに最も投資をしているVCは、Digital Currency Group、cosmos、NEO GLOBAL CAPITALの順で大きいようです。

ですが、恐らく、Coinbase VenturesのようなCVCがカウントされていません。
Coinbase Venturesやa16zは2018年内に確実に10以上のプロジェクトに投資をしているはずですし、また、中国系のファンドかなり観測から漏れているのではないかと思われます。

2018年にブロックチェーンプロジェクト・ICO・STOへの投資を統計した詳細なレポートが発表

以上です。
いくつか特に気になる項目をピックアップしてみましたが、非常に有用なレポートですので、気になった方は是非ご自身で読まれるといいでしょう。

関連:2018年のブロックチェーンビジネスを振り返る~概念実証から実用フェーズへ


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