
(文:Maki@仮想通貨ママコイナー)
国内取引所の中でも特に知名度が高く、2018年は良い意味でも悪い意味でも「仮想通貨」を世に広めた存在となっているのがコインチェック(Coincheck)です。
過去最高額のハッキング事件がありながらもなお復活が待ち望まれるコインチェックですが、どのようなメリット・デメリットがある取引所なのでしょうか。
2018年のコインチェック(Coincheck)を振り返る
出典:Coincheck
2018年1月26日に、NEM(XEM)がハッキングされてしまうという事件が起こったコインチェック。日本では仮想通貨のハッキングといえば「マウントゴックス事件」が有名ですが、コインチェックのハッキングはこれを超える過去最大のハッキングとなってしまいました。
ですがその後、他の取引所ハッキングとは比べ物にならないほどの迅速なスピードで補償を発表・対応をし、その後の立て直しを図っているところです。
2017年末のビットコイン(BTC)高騰とともに、日本でも徐々に「仮想通貨」という言葉が広まりつつあり、コインチェック事件で一気に拡散されたというところでしょうか。
その後、マネックスグループによって買収されたコインチェック。4月に買収の発表があり、6月中には金融庁から仮想通貨交換業者としての認可を得る目標があったそうですが、それも叶わず…。
とはいえ、公式ブログの復活や取り扱い通貨の改変、入出金や売買の再開など、着実に前進していることでユーザーの安心感を取り戻してきています。
関連:マネックスが36億円でコインチェック社を買収へ、新経営体制も正式発表(2018年4月6日公開)
ハッキング後、業務改善命令を受けていたため長らく新規登録をストップしていましたが、現在はすでに新規口座開設を再開しており、新たなユーザーが増え続けています。
関連:約280日ぶりにコインチェックが新規口座開設、一部仮想通貨入金・購入再開(2018年10月30日公開)
大きな事件がありましたが、迅速な対応と再建に向けた堅実な動きを見せているコインチェック。初心者にとって使いやすい・以前から利用しているユーザーの中にもいまだに根強いファンが多いことからも、今後復活が強く望まれています。
コインチェック(Coincheck)を利用するメリット
初心者にとって使いやすい取引所
ある程度あちこちの仮想通貨取引所を利用したことがあるユーザーは、口をそろえてコインチェックのことを「初心者にとって使いやすい取引所」と言うでしょう。
これはなぜでしょうか?
出典:Coincheck
コインチェックはまずアプリがシンプルで使いやすく、チャート=難しい、専門的で見づらい…というイメージを払拭しながら、上級者も価格確認はコインチェックで行っているという方も少なくありません。
最初の国内取引所の口座開設はコインチェックだった…という方も多いですが、この手軽さ・使いやすさから、筆者を含めなかなか離れられないという話も。これが、ハッキング事件がありながらも根強いファンが残っている理由のひとつでしょう。
売買しやすい「販売所」に定評
初心者の方は、指値や成行といった言葉でさえも「?」となってしまうもの。そういったことを考えず、数量を指定して感覚的にビットコインなどの仮想通貨を売買できるのが、コインチェックの強みです。
ユーザー同士が売買を行う「取引所」スタイルではなく、コインチェック側と売買をする「販売所」スタイルになっているため、いつでも・どんな量でもすぐに売買が成立するというメリットがあります。
取引所スタイルの場合、これから仮想通貨を買ってみよう…という初心者ユーザーがどのように売買をするか把握しづらいこともあり、わずかなステップで感覚的に売買できるコインチェックが重宝されています。
取り扱い銘柄が多い
日本の取引所で取り扱うことができる銘柄は限られていて、OKされているものは「ホワイトリストに入っている銘柄」とされています。
これは明確な定義はないものの、金融庁が取り扱いを許可している銘柄=ホワイトリスト入りという意味で使われている言葉です。
コインチェックで取り扱われているのは…
- ビットコイン(BTC)
- ライトコイン(LTC)
- イーサリアム(ETH)
- リップル(XRP)
- ネム(XEM)
- ビットコインキャッシュ(BCH)
- イーサリアムクラシック(ETC)
- ファクトム(FCT)
- リスク(LSK)
上記の9種類です。
以前は匿名通貨として知られているモネロ(XMR)・ダッシュ(DASH)・ジーキャッシュ(ZEC)の3種類と、未来予測を行うオーガー(REP)の計4種類の銘柄がありましたが、ハッキング事件後にマネーロンダリングなどのリスクを考え、上場廃止されました。
関連:仮想通貨(XMR、REP、DASH、ZEC)4種類の取扱い廃止:コインチェック(2018年5月18日公開)
それでも、国内取引所で9種類の銘柄を売買できるのは大きな魅力。
海外取引所では国内の取引所とは比べものにならないほど多くのアルトコインを売買できますが、万が一のこと(ハッキング、ログインのトラブルなど)が起こったときに、サポートが英語であること・日本人向けのサービスが行われておらず自己責任になることを考えると、やはり国内の取引所は安心感があります。
一時売買停止となっていたコインチェックでは、すでにすべてのコインの売買が再開されていますし、今後完全復活を遂げた際にはさらに多くのユーザーの流入があり、取引量の増加が見込めそうです。
ハッキングからの再建
仮想通貨、つまりユーザーの資産を取り扱う取引所として、あってはならないのがズバリ「ハッキング(資産流出)」です。2018年1月にコインチェックでネム(XEM)が流出した事件は、額がとても大きいこともあり世界中に衝撃を与えました。
しかし、わずか1日で補償内容の発表に踏み切り、約1年をかけてほぼほぼサービス再開というところまでやってきましたね。
一度は信頼を落としてしまったコインチェックですが、だからこそセキュリティに一層力を入れ、今後のサービスに対してユーザーが希望を持てるのではないでしょうか。
経営体制も一新し、金融庁に認可されるのを待つのみとなったコインチェック、多くの新規参入者があらわれることに期待がかかっています。
サポート体制について
以前、コインチェックに問い合わせをするとなかなかサポートから返信がない…と言われていました。しかしこのときは仮想通貨が急激に認知されたこともあり、新規ユーザーが爆発的に増えたためにサポートが追い付かなくなったことが考えられます。
現在ではマネックスグループに買収され、経営管理態勢の改善が行われたことからも以前のようなサポート遅延が起こらないよう、劇的に改善されているようです。
筆者も先日コインチェックに問い合わせをする機会がありましたが、平日・朝に連絡をしてからわずか1時間ほどで返信があり、スピーディな対応に驚いたことがありました。
今後の新規ユーザーの流入を見越し、サポート体制も整っているのではないでしょうか。
コインチェック(Coincheck)を利用するデメリット
アプリは販売所のみ、PCの取引所はBTCのみ
先ほどメリットの部分でも触れましたが、コインチェックのアプリで利用できる売買は「販売所」スタイルのみとなっています。つまり、ユーザー同士で売買ができないということです。
パソコンからの場合だと取引所も利用できるのですが、売買できるのはビットコイン(BTC)1種類のみとなります。
販売所はメリットで挙げたとおり、初心者にとっては気軽に仮想通貨の売買をしやすい一方、ある程度トレードができる中級者以上にとっては、手数料を低く、なおかつ安く買い・高く売ることができる取引所スタイルが求められます。
コインチェックは取り扱い銘柄が多いメリットがある反面、取引所を利用できるのはビットコインのみ…というのが大きなデメリットでもあると言えます。
スプレッドが高い
取引のしやすさと引き換えにかかってしまうのが、手数料です。
通常、取引所の場合であればユーザー同士が売買の注文を出して約定(取引成立)するため、手数料が安いというメリットがあります。
コインチェックのビットコイン取引所は現在無期限の手数料無料キャンペーンを行っており、さらに販売所でも売買にかかる手数料は無料となっています。
お得じゃないか、と思うのですが…
コインチェックでは買値と売値の価格差=「スプレッド」が大きいことが知られており、これが実質的な手数料に。
たとえば、ビットコインを購入するときに1BTC=50万円なのに、売ろうと思ったら48万円だった場合、同じビットコインの売買にもかかわらず2万円の価格差があることになります。
別の取引所に比べてこの差が大きいと、買ったときに割高・売ったときに割安となるため、よく売買を行うユーザーにとってはどんどん損失が出てしまう…というワケですね。
ビットコインはもちろん、取り扱っているアルトコインも他の取引所に比べると軒並みスプレッドが高くなっており、手数料が高いことに。
コインチェックは他の取引所に比べてスプレッドが大きいことはよく知られており、人気である取引所である一方、ユーザーから不満としてしばしば挙げられる点です。
今後の考えられる展開とは?
出典:Coincheck
コインチェックのメリット・デメリット、使いやすさについてお話しさせていただきました。
仮想通貨の取引をたびたび行っている中級者以上のユーザーであっても、その使いやすさからずっとコインチェックのアプリを利用している方が多く、根強い支持を得ています。
また、コインチェックは現在ほぼすべての機能が復活し、あとは金融庁から認可を得られるかどうか…というところまで来ています。
おそらく2019年には認可がおり、全面的にサービス再開につながるのではと考えられます。
その際に、新たなユーザーがなだれ込んでくることも考えられ、昨年のように本人確認や問い合わせの対応に滞りが生じてしまう懸念もあります。
しかし、マネックスグループによる買収が行われた今、復活に向けて万全の態勢をとっていることでしょう。
日本を代表する国内取引所のひとつとして、今後に大きな期待が寄せられています…!
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