バイナンスやトロンなど11社にICO、IEOによる未登録証券販売で集団訴訟

バイナンス(Binance)をはじめとする仮想通貨取引所やトロン財団(Tron Foundation)など11社が4月3日、未登録証券の販売と販売支援を行ったとして集団訴訟の訴えを起こされました。集団訴訟はすべて、米ニューヨーク州南部地区連邦地方裁判所に提出されました。訴状によると、これら取引所はいわゆるIEO(イニシャル・エクスチェンジ・オファリング)とICO(イニシャルコインオファリング)の両方式による未登録証券の販売したとしています。

対象のトークンはすべて未登録証券とSECが確認

ICOトークンの発行と発売で訴えられたのはクーコイン(KuCoin)、ブロックワン(Block.one)、クアントスタンプ(Quantstamp)、シビック(Civic)そしてバイナンスです。ビットメックス(BitMEX)はまた、未登録証券のICO販売に関わったことで、同様に訴えられました。

米証券取引委員会(SEC)は、これらのトークンはすべて未登録証券であると確認しています。例えばバイナンスに対する訴えの中では「SECは昨年、膨大な研究と調査が実って、これらトークンはすべて証券であるとの明快な結論に至った」と主張しています。

訴えはさらに、ICOのほぼすべてが証券か否かを判定するハウェイテスト(Howey Test)を受けていますが、未登録証券を販売した取引所の多くは、米国内のブローカー・ディーラー登録免許証を取得していなかったといわれます。2017年にはそのようなICOも可能でしたが、19年にはそれもできなくなりました。

原告代理人はロシュ・フリードマン法律事務所

集団訴訟の原告代行法律事務所であるロシュ・フリードマン(Roche Friedman)は、仮想通貨・ブロックチェーン関連訴訟に実績のある法律事務所であり、不法なトークン発行に関わった11社を訴え、同時に何人かの著名な取所関係者を訴えています。その中にはバイナンスの最高経営責任者(CEO」)であるジァオ・チャンポン(Zhao Changpeng)氏、シビックCEOのヴィニー・リンガム(Vinny Lingham)氏らが含まれています。

トークンに関する情報が不十分

例えば、トロン財団に対する訴えは、以下のようになっています。

「TRXトークンの発行は、ビットコイン、イーサリアムとは対照的に、中央集権化プロセスを通じて発生した。しかしながらこれは、発行時に投資家に明らかではなかった。購入者は、TRXが本来証券であるのに何か別のものと信じてしまうという誤った方向に導かれることになった」。

バイナンスについても、トークン発行者との間でいくつかの(事前)合意事項があることから、同様の申し立てが行われました。トークン発行者たちは、トークンが証券であることを登録しませんでした。

参考
Lawsuits Filed against Binance, Block.one, BitMEX and Other Crypto-Related Companies

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