強いドルに方向転換、変わるアメリカのスタンス
新型コロナウイルスの対応により、世界の主要先進国の全てはゼロ金利またはゼロ金利に近くなっています。また増刷により、株式市場の下支えと財政出動による経済の救済を行っています。
3月にドルは資金需要でドルは急上昇をして、その後も価格を維持しています。各国はマネーの総量を増やしていますが、主要なコモディティは米ドルで取引をされるため、米ドルは調達せねばならず、米ドルの相対的な強さは増します。米ドルの上昇は、ドル建て債務を膨らませている新興市場にとってリスクですし、新興市場でなくとも資源の調達価格は将来的に高騰する可能性があります。
トランプ大統領は4月17日に会見を行い、「ドルはとても強い。強いドルは全体としてとても良いことだ」と語りました。過去数年にわたり米製造業者や輸出業者のためにドル安を求めてきた同大統領にとっては方向転換であると言えます。つまり、国として強いドルを支持するということで、アメリカのスタンスが変わっていることは明確に意識するべきであると言えます。
暗号通貨の投資家が知っておくべきこととは?
ドルが強くなる場合、他の通貨は相対的に安くなります。私たちの多くが日常に使用している日本円も相対的に安くなります。為替の方向転換についてグローバルアセットである暗号通貨に投資する人もこれは十分に意識しておくべきでしょう。
例えば、ドル円が10%下がった場合、ビットコインドルの価格が変わらなかったとしても、同じ価格でビットコインは90%しか購入できません。または、ある時点でビットコインを購入して、1年後にドル円が10%下がったとして、その間ビットコインドルの価格が全く変動していなかったとしても、ビットコインを売って10%の利益を円建てで享受できます。
これがドルが強くなった場合に起こることです。こういった将来を予想したとして、できることは多くあります。例えば、米ドルのステーブルコインをレンディングで運用するという手法はその最もシンプルな方法の一つでしょう。
中長期的に円安に賭ける世界的な投資家もいます。ウォーレン・バフェット氏が率いる投資会社バークシャー・ハザウェイは2019年9月に、同社として初となる円建て債を起債しました。円債で円調達、ドルに換えて運用するというもので、満期の頃、円が起債時点より安くなっている可能性があるからです。
このようなことを考える場合、ほとんど全ての取引が日本円で取引される日本株の場合と、さまざまな通貨で取引されるグローバルアセットは異なる考え方をする必要があります。
今後の為替予想は分からないですが、考慮しておくべきではあるでしょう。
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