
(文:Maki@仮想通貨ママコイナー)
徐々に日本でも浸透してきた仮想通貨。
しかし、その仕組みを本当に理解している方はまだまだ少ないと言えます。
「儲かる」という言葉が先行しすぎて、仮想通貨本来の姿を理解していないまま買い集めた結果、大きな損失を被ってしまった…という方も。
そんな失敗をしないためにも、まずは自分がどんなものに投資しようとしているのかを理解し、今後、日本はもちろん世界的に仮想通貨がどのように広まっていくのか、どのような目的で使われるのかを知っておきましょう!
そもそも「仮想通貨」とは?
仮想通貨は海外では「Crypto Currency(クリプトカレンシー)」と呼ばれているもので、直訳すると「暗号通貨」となります。
なぜ日本で仮想通貨と呼ばれるようになったかと言いますと、日本では2017年4月から「改正資金決済法」が施行され、これに関連したお知らせが金融庁から行われるようになりました。
クリプトカレンシー=暗号通貨という言葉が利用されていたものの、そこで「仮想通貨」という言葉がたびたび登場するようになりました。また、メディアもそれに伴って仮想通貨という言葉を使うようになり、広く浸透した…ということですね。
今後は、仮想通貨でも暗号通貨でもなく「暗号資産」と呼ばれるようになる可能性もあります。
ビットコイン(Bitcoin/BTC)の始まり
仮想通貨=ビットコイン(BTC)と連想する方が多いかと思いますが、ビットコインは2009年に誕生した仮想通貨。
日本人なのか、また個人か団体かすら不明な「ナカモトサトシ」と呼ばれる方がその構想を練り、掲示板に投稿したことがビットコインの始まりです。
今ではイーサリアム、ライトコイン、リップル…といった、いわゆる「アルトコイン」も続々と増え、その数は2,000を超えているとか。先に登場しているビットコインの特徴に加え、さまざまな機能を備えたものが次々に現れ、中には国家プロジェクトに利用されているものも。
世界的に注目されていることがわかりますね。
法定通貨との違いは?
私たちが普段使っている日本円などの法定通貨をフィアットと言いますが、フィアットと仮想通貨との違いは何でしょうか。
- 硬貨や紙幣といった物理的なものかどうかの違い
- 発行者の違い
- 発行量の違い
…があります。
まず、ビットコインやイーサリアムといった仮想通貨は500円玉やお札のように手に持って使うものではなく、スマートフォンやパソコンを介して送金(または受け取り)するものです。
日本円は政府が発行や流通などの管理を行いますが、ビットコインの場合はマイニングによって新しいコインが発行され、その後は特定の管理者がいない状態に。
発行される量についても、日本円の場合は政府が流通をみながら発行していますが、ビットコインの場合は「2,100万枚」という発行上限枚数があらかじめ決まっています。
全世界で2,100万枚…というと、少ない気もしますね。
電子マネーと何が違うの?
仮想通貨はインターネット上で使えるお金(通貨)として知られていますが、電子マネーとよく混同されてしまいます。
電子マネーはカードやスマートフォンのアプリなどにチャージ(事前入金)をし、そのカードを発行しているグループや企業にて支払いをすることができます。
対して仮想通貨は、特定の管理者がいないお金です。お店さえ対応していれば国境関係なく、さらに24時間いつでもパソコンやスマートフォンでいつでも送金ができ、電子マネーとは違う特徴をもっていることがわかります。
仮想通貨が注目される理由
仮想通貨がどうしてこんなに注目されているのか?ということですが…
仮想通貨には「ブロックチェーン技術」と、特定の管理者がおらず、ネットワークに参加するユーザーひとりひとりによってデータを保管する「ピア・ツー・ピア(P2P)」という通信方式が利用されています。
このふたつを掛け合わせた仮想通貨(ビットコイン)は、画期的だと注目されるようになりました。
では、ブロックチェーンとP2Pについてそれぞれ見てみましょう。
ブロックチェーン技術
ブロックチェーン技術はビットコインをはじめ、仮想通貨における中核となる技術。トランザクション(取引のデータ)をブロックと呼ばれる入れ物に詰め込み、それをネットワークの中で順番に、一列につなげていく…というデータの保管方法のことをいいます。
ブロックには前後とのつながりの証拠になるハッシュやノンスといった数値が含まれているため、データが正しくつながっていきます。
そのため、ブロックのデータを改ざんしようとすると、そのブロック以降に影響が出てしまうため実質的に改ざんすることはできなくなります。これが、ブロックチェーンはデータを改ざんできないと言われるゆえんです。
Peer to Peer(ピアツーピア)
続いては、ピアツーピアです。
通信方式のひとつなのですが、よく「P2P」と表記されます。
普段パソコンを使っていると「サーバーが落ちた」と、通信できなくなることがありますよね。この通信方式をクライアントサーバー方式と言いますが、クライアント(ユーザー)同士が通信をしようと思った際には、いったんサーバーを介して通信を行うことになります。
ただ、サーバーに何らかの問題があったときに通信ができない…という状況に(=サーバー落ち)。
この問題を解決するのが「ピアツーピア」です。
サーバーを経由するという形をとらず、クライアント(ユーザー)同士がそれぞれ複数のクライアントと直接通信をするという方法です。
このメリットとしては、サーバー方式だと一か所にデータが固まってしまうため、ここを狙われることがあります。また、サーバーに問題があるときは、クライアント(ユーザー)が何もできないという状態に。
ピアツーピア方式の場合はサーバーがいないぶん、参加しているたくさんのユーザーにデータが分散されているため、一か所に負荷がかかりにくい・データが失われにくいという大きなメリットがあります。
仮想通貨の場合、各ユーザーが取引履歴などの情報を分散して持っているため、特定の管理者がいる状態のサーバー管理では難しかったデータの改ざんを防ぐことができ、万が一のことがあってもデータを復旧しやすくなります。
ブロックチェーン×ピアツーピア
- 記録を行い、改ざんを防ぐブロックチェーン
- 一般的な通信方法のようにサーバーを必要とせず、ネットワークに参加するノードひとりひとりにデータを分散させてやり取りをするピアツーピア
このふたつが掛け合わさったことで、特定の管理者がいなくても管理が自律的になり、ビットコイン(仮想通貨)が注目されている…ということです。
仮想通貨の特徴
では、もう少し具体的な特徴や仕組みについて掘り下げてみましょう。
非中央集権である
先ほどお話ししましたが、ビットコインはピアツーピア方式で通信が行われることでサーバーを必要とせず、さらにブロックチェーンにデータを記録していくため改ざんを防ぎ、なおかつみんながその情報をチェックできることになっています。
だからビットコインは「非中央集権」であり、特定の誰かによって管理されるがゆえの様々なリスクが低いと言われているため、管理者がいなくても信頼性が高いといいます。
ゼロダウンタイムである
実際にビットコイン(BTC)は2009年にスタートして、今に続いています。ハードフォークやスケーラビリティ問題といった危機・課題もありましたが、ブロックチェーンは一度もストップすることなく、現在まで稼働し続けています。
これを「ゼロダウンタイム」といいます。
取引所がメンテナンスを行うことはありますが、これは仮想通貨そのものがメンテナンスをしているわけではなく、取引所が業務を一時停止している間もブロックチェーンは常に動き続けています。
だから、24時間いつでも休みなく取引をすることができるんですね。金融の世界において、ゼロダウンタイムを実現しているビットコイン(仮想通貨)は画期的だと言われています。
種類が豊富
仮想通貨にはビットコイン(BTC)のほか、さまざまなアルトコインがあり、その数は2,000を超えているといいます。
ビットコインを第1世代の仮想通貨としたとき、第2世代には通貨としての機能以外も盛り込んだイーサリアム(ETH)などが登場、さらに現在ではブロックチェーン以外の機能も備えた第3世代であるアークブロック(ARK)などが登場しています。
ビットコインの生みの親であるナカモトサトシは、ビットコインを「デジタル通貨」として使うことを構想していました。
さらにこれが様々なことに応用できるとして、通貨+その記録をブロックチェーンに保存するだけでなく、契約機能(スマートコントラクト)をもったイーサリアム(ETH)を開発したり、投票の仕組みをもったネム(XEM)が登場したということですね。
日本では取引所で扱うことができる銘柄が限られているため、海外の取引所を利用してさまざまなアルトコインのトレードを行っている方が多いのが現状です。
人気のおすすめ仮想通貨
膨大な数の仮想通貨、その中からコレというものを選ぶのは大変なことですが、日本の取引所でも売買できて人気がある、おすすめのものをいくつかご紹介します。
ビットコイン(BTC)
すべてのアルトコインに対する「基軸通貨」として売買されており、その知名度は言うまでもなくナンバーワンです。
そのため需要もあり、実際に日本でもビットコイン決済ができるお店が増えています。
ビットコイン=高額というイメージがあるかもしれませんが、実は少額から購入できますのでまず少し買ってみようという方も多くいらっしゃいます。
イーサリアム(ETH)
主要アルトコインのひとつで、スマートコントラクト(契約機能)を有しています。
さらにイーサリアムをベースとしてさまざまな仮想通貨が発行されているほか、DAppsと呼ばれる管理者のいない分散型アプリケーションがイーサリアムのブロックチェーン上で次々につくられています。
一時は仮想通貨ではなく現行の規制が必要な「証券」として見られるかどうか問題になりましたが、その不安を払拭したこともあり、世界的に人気のアルトコインです。
リップル(XRP)
日本で特に人気のアルトコインがリップル。
リップルというシステムの中で使われ、取引所で売買されるのが、仮想通貨のXRPです。
スピーディな送金に特化しているという特徴をもち、世界各国の銀行において各国・地域の法定通貨同士をつなぐブリッジ通貨として期待されています。
ライトコイン(LTC)
海外で人気のライトコインですが、上場(取り扱い)されている取引所が非常に多く、根強い人気を誇っています。
ビットコインは金・ライトコインは銀とも言われているように、ビットコインの欠点を埋め、ライバルとなる仮想通貨として誕生しました。
まとめ
なかなか複雑な仕組み、技術が使われている仮想通貨ですが、まだまだ始まったばかりです。
取引所に口座を開設する手順はすべてオンラインで完結しますし、少額から売買することができる手軽さもあり、身近な投資のひとつとして幅広い世代の方が触れはじめています。
今後、仮想通貨は世界中に広がりを見せていくはず。自身が投資する・しないに関わらず、正しい知識を身につけておきましょう。
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