ビットコイン(BTC)の強気市場が続いています。本コラムでは機関投資家によるビットコインの購入推移や関心を見てみます。
Grayscale Investmentsの四半期での流入は過去最高
グレイスケール・インベストメンツ(Grayscale Investments)は、ビットコインなど特定の暗号資産に投資をする上場投資信託を複数販売しています。機関投資家がビットコインを購入する窓口として最も主要なものになっています。
同社は2020年第3四半期のレポートを公開し、同社の商品に合計10億ドル(約1050億円)の資金流入があり過去最高の四半期を記録しています。今年の合計は現時点で24億ドルとなっており、2013年から2019年の総資金流入の2倍以上となっています。下記は同社の運用残高の推移です。
参照:Digital Asset Investment Report
2020年からの伸びがすさまじいとが理解できます。また機関投資家の購入銘柄の多くはビットコインであることも分かります。次点でのイーサリアムの残高も増えているものの、ビットコインとイーサリアム以外の銘柄は合計しても5%以下に留まります。
マイクロストラテジー(MicroStrategy)などの米国上場企業の暗号資産投資の報道も相次いでおり、そのような企業による資金流入もあるはずです。
Fidelityがポートフォリオの数%相当のビットコイン組み入れを勧める
フィデリティ(Fidelity)が発表した10月のビットコイン投資レポートによると、投資家のビットコインへの関心が継続していることを強調しています。Fidelityはビットコインの売買を既に顧客に提供している他、機関投資家向けの分析ツールやカストディ、レンディングサービスに幅広い出資をしており、暗号資産に最も強気な金融機関の1つとして知られています。最近ではアジアでの暗号資産事業拡大も報道されました。
同社が新しく発表したレポートでは、過去数年に1~3%をビットコインに配分した仮想ポートフォリオの年率リターンを示しています。それによると、2018年の初めに3%のビットコインを保有したポートフォリオは、保有していないポートフォリオを1.1%アウトパフォームしていたことが分かりますま。た2015年1月から2020年9月までの間、そのビットコインを含んだポートフォリオは、保有しないポートフォリオを29%アウトパフォームしていることを示しています。
さらに同レポートでは、ビットコインの歴史的な加速度的なリターンは、今後、継続的なものとならずより安定したパフォーマンスを出す期間に入る可能性がある、としています。レポートの論調としてFidelityは、ビットコインは既に比較的安定したアセットクラスとして確立されつつあり、機関投資家に対してポートフォリオの数%の投資を検討することを勧めています。決して投機的なアセットではなく大口の機関投資家がポートフォリオの一部に組入れする資産にビットコインが変化していることを読み取れるレポートだと言えます。
2020年はビットコインがデジタルゴールドとして認識を持たれた年
2020年はビットコインがデジタルゴールドとして認識を持たれた年であると言って良いでしょう。米国の上場企業でも取締役がビットコインの購入を承認し、それを株式市場が評価するという光景は今まではありえませんでした。過去にビットコインを厳しく非難したJPMorganですらアナリストからビットコインは デジタルゴールドになれる可能性があり、価値も今から3倍にまで上昇する可能性があるとしています。
米国では追加の財政支出の合意が間近であり連邦準備制度理事会(FRB)の大規模金融緩和が継続する見込みで、今後もデジタルゴールドとしてのビットコインは注目が続くはずです。
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