ゲームメディアで実力を競い合うeスポーツは、多くの魅力を持つ一方で問題点も抱えています。
この記事では、現在の日本のeスポーツが抱える問題点と、その解決を紹介します。
eスポーツをする上での問題点とは?
近年のeスポーツはテレビやネットメディアなどで広く取り上げられるようになり、一般的な知名度を獲得しつつあります。 eスポーツのプロ選手を目指す子供も増えてきていて、今後はさらなる普及に期待がされるでしょう。
しかし、その一方でeスポーツにはいくつかの問題点があり、その解決が急務とされています。 問題点は日本国内にも影響していて、その点を放置したままでは、海外のeスポーツ業界と足並みを揃えることが難しくなるでしょう。
こういった問題点は将来的に、eスポーツ文化を衰退させることにつながるかもしれません。
以下では2020年段階での、eスポーツにどのような問題点があるのかを紹介します。
プロ選手を育てる環境の格差
eスポーツのプロ選手を育てる環境が国や地域ごとに異なる点は、eスポーツの問題点になるでしょう。
そのため実力に大きな差が生まれてしまい、競技として成立しなくなる可能性も考えられます。
海外の一部では、積極的に子供たちにeスポーツの教育を施す事例が増えています。
例えば、アメリカでは470以上の大学がeスポーツのクラブを公認したり、70の大学がeスポーツの実績を持つ学生に奨学金を出したりして、その成長を後押ししています。
その他、塾や水泳などのようにeスポーツの対象ゲームを習わせる家庭も増えているようで、学校外での教育体制も整っていることがうかがえるでしょう。
一方で、eスポーツを教育の中に取り込めないでいる国も多く、日本もあくまでeスポーツは娯楽の一部という印象を持つ方が多いようです。
こういった教育格差が、eスポーツの発展における1つの問題点になるでしょう。
eスポーツに対する理解度
eスポーツに対する理解度がまだ十分でないことも、現在の問題点の1つです。
例えば、日本国内を参考にしても、eスポーツの認知が広まったのはまだここ数年であるため、子供を教育する大人世代にその重要性が伝わりきっていないことがあります。
株式会社エアトリが行った調査によると、eスポーツを知っているという回答は全世代で80%を超えたのに対して、「試合に参加してみたい」と答えた方は2.3%、「観戦してみたい」と答えた方は16.3%になっています。
残り81.4%が「興味がない」と回答していることから、知っているけど熱心に楽しむほどではないという方が多いのでしょう。
また、「自身の子供がeスポーツの選手になりたいと言ったどう思いますか?」という質問では、「どちらでもない」が50%、「とても嬉しい」「やや嬉しい」が5.5%、「とても嫌だ」「やや嫌だ」が44.7%となっています。
このような調査結果から、eスポーツはまだ1つの競技として理解されてはいないと考えられます。 その認識のズレもまた、eスポーツの問題点になるでしょう。
大会に関する法律の問題
eスポーツの大会にまつわる法律も、現在の問題点として数えられます。
例えば、日本では、以下のような法律が問題点になる可能性があるでしょう。
このような法律に当てはめて考えると、eスポーツの大会が違法になるケースも発生してしまうでしょう。 そのため大会が容易に開催できず、普及を広めるチャンスを逃す可能性があります。
そういった法律との兼ね合いも、今後eスポーツの普及を左右する課題になるでしょう。
eスポーツの問題点に対する解決策とは?
上記のようなeスポーツの問題点に対しては、いくつかの解決策が考えられます。どのような解決策が存在するのかを、参考として以下で紹介しましょう。
教育現場への導入
eスポーツを1つの学習として教育現場へ導入することは、問題点の解決策となるでしょう。 学校の科目やクラブの1つとして導入できれば、eスポーツのプロ選手を育成する地盤の作成と、世間一般への理解度を深めることにつながります。
例えば、日本では実際にNASEF(北米教育eスポーツ連盟)の日本支部が、eスポーツを用いたカリキュラムの提供や、eスポーツ部を創設するためのクラブ活動支援などを行って教育現場へのアプローチを行っています。
他にも⼀般社団法人超教育協会と一般社団法人日本eスポーツ連合は、共同で「超eスポーツ学校」というプロジェクトを進めています。
超eスポーツ学校では、共同カリキュラムの作成や修了認定、eスポーツの教育的な効果に関するリサーチとエビデンスの取得などが実施されています。
今後はトライアルの授業なども実施されることから、本格的にeスポーツが教育の現場に投入される日は近いかもしれません。
ゲームに触れる機会を増やす
eスポーツのゲームに触れる機会を増やすことも、上記の問題点を解決するポイントになるでしょう。
例えば、海外の一部では、気軽にeスポーツのローカル対戦が行えるような、eスポーツ館が普及しています。 日本で言うところのゲームセンターやカラオケのような感覚で、eスポーツを楽しめる環境があります。
このようなeスポーツの施設が誕生すれば、日本でもさらにeスポーツが身近な存在に感じられるでしょう。
第三者組織の確立
法律的な問題やプロ契約に関する問題を解決するために、第三者組織を確立することも解決策になり得ます。
第三者組織を間に挟むことで、プロ契約が統一のフォーマットの下で行えるようになるなどのメリットが生まれるでしょう。
eスポーツのプロ選手が、将来的に野球選手やサッカー選手のようになっていくためにも、第三者組織によるサポートが必要になると考えられるでしょう。
eスポーツは問題点ばかりじゃない!その魅力とは?
ここまでいくつかの問題点を確認してきましたが、それを上回るだけの魅力を持つのもeスポーツの特徴です。
誰でもeスポーツプレイヤーになれる
例えば、性別、年齢、場所を問わずに参加できるハードルの低さがあり、誰でもプレイヤーになれる環境が基本になっています。
チームプレイや対戦相手との交流を通して得られる精神的成長は他のスポーツと変わらず、人生の大きな財産になり得るでしょう。
賞金が高額な大会も多い
さらに世界規模で見れば高い賞金を設定する大会も多く、プロとして活躍できれば大きな成功を手にすることもできます。
このような魅力があるeスポーツだからこそ、現在の問題点を解決することができれば、さらなる発展に続いていく可能性があります。
eスポーツの問題点を把握すると同時に、ぜひその魅力についても改めて確認してみてください。
eスポーツの問題点を理解して楽しくプレイしよう
eスポーツには問題点や注意点がありますが、それを踏まえても有り余る魅力を持つコンテンツだと言えます。
この機会にeスポーツにどんな問題点があるのかをチェックして、今後どのように解決していくのかにも注目してみましょう。