イーサリアム開発者ヴィタリック氏がNFTを慈善活動に活かすアイディアを提案

イーサリアムの開発者であるヴィタリック・ブテリン(Vitalik Buterin)氏は3月23日、自身のブログを更新し、ビットコインとイーサリアムの研究開発費に言及、NFTを慈善活動に役立てるアイディアなどを明らかにした。

ビットコインの研究開発費は年間2000万ドルほど

今回のブログでは、ビットコインとイーサリアムのマイニング報酬について触れている。2021年に入ってからのビットコインのマイニング報酬は1日平均約3,800万ドル(約41億円)、取引手数料として1日約500万ドル(約5億4,000万円)が支払われている。イーサリアムの場合は、1日のマイニング報酬1,950万ドル(約21億円)、取引手数料1,800万ドル(約20億円)だという。

これに対してイーサリアムの運営団体であるイーサリアム財団(Ethereum Foundation)の年間予算は、研究費やプロトコル開発費、助成金、その他のあらゆる費用を含めても年間3,000万ドルに過ぎないとヴィタリック氏は説明している。ビットコインのエコシステムの研究開発はさらに低く、年間2,000万ドル程度だと算出されています。

このような事実に対してヴィタリック氏は、資産配分が間違っていると指摘。また同氏は、このように資本の行先を制限している社会的力を正当性と呼んでいる。ヴィタリック氏の説明によると正当性とは、右側通行の道路で自分も右側を通行を選ぶことは正当性がり、1人だけ左側通行しようとしてもマイナスの結果を生むようなものだという。

NFTが慈善活動につながる可能性

ヴィタリック氏は、NFTの正当性の概念を良い方向に導くことができれば、アーティスとや慈善団体などへの資金提供のルートを確立できるチャンスがあると述べている。その方法としてヴィタリック氏は2つのアイディアを紹介した。

1つはNFTの収益の一部が慈善活動に流れることを保証し、複数の団体が同時に利益を得られるようにすること。もう1つはNFTをソーシャルメディアのプロフィールに表示できるようにすることだ。この2つを組み合わせて、社会的に価値のある活動に貢献しているNFTにユーザーを誘導することも可能だと語っている。

一方でNFTが既に裕福なセレブを中心としたカジノになってしまうのであれば、面白くない結果になるだろうとも警告している。

参考
The Most Important Scarce Resource is Legitimacy

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文:かにたま

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