年金資産が株式、債券あるいは不動産にまで投資されている事実は良く知られていますが、暗号資産(仮想通貨)特にビットコイン(BTC)を資産運用のために競って購入する時代が到来しようとしています。英国の仮想通貨取引所Dacxiのマネジングディレクターであるキャサリン・ウーラー(Katharine Wooler)氏は、機関および個人投資家に受け入れられた仮想通貨が今度は、年金投資サイドから注目されていると語っています。
年金投資家は仮想通貨への投資に意欲的
Dacxiは例えば今年末に向けて、年金を受け入れる取引ルートを開く計画を進めています。ウーラー氏は「年金投資家はビットコイン、イーサリアム(ETH)など優良仮想通貨に年金の一部を投資したいと考えている」と語ります。
英国の金融監督機関FCAは、仮想通貨のリスクを指摘して注意喚起していますが、ウーラー氏は「年金運用を計画する市場は事情通であり、過去何回も景気後退を経験して、伝統的な年金(運用)に失望している。彼らは新しいテクノロジーや資産クラスを受け入れる用意があり、数多くの取引所が無料の講習会などを開いている」と語ります。
同氏は結論として、「年金投資家はポートフォリとの一部に仮想通貨を組み込むことに意欲的である」と語っています。
ファミリーオフィスは仮想通貨運用に意欲的だが規制不在などの不安から躊躇
多国籍の金融コンサルタント企業ホクストン・キャピタル・マネジメント(Hoxton Capital Management)のパートナーであるリコ・カチューチョ(Rico Cachucho)氏は、仮想通貨が年金運用上与えるインパクトは予想以上に大きく、「仮想通貨が年金運用面の大きな部分を占めるのは時間の問題となっており、待ち時間はそれほど長くはない」と語ります。
カチューチョ氏によると、資産運用アドバイザリー企業集団いわゆるファミリーオフィス(Family offices)は、積極的にデジタル資産の運用に関わっており、2019年Q1以来いくつかの年金ファンドがこの資産クラスを保有していますが、ブラックロック(BlackRock)やバンガード(Vanguard)、ピムコ(Pimco)など伝統的な資産マネジャーは、規制の欠如が理由で今日までなおわき役に過ぎません。
これら企業は脇役と言っても関心がないのではなく、ボラティリティ、流動性の懸念や仮想通貨市場に対する規制上の不確かな対応などが理由から、これら新しい資産クラスは「手を触れられない」存在になっています。
参考
・Bitcoin to impact retirement plans: It’s only a ‘matter of time’ until pensions own crypto
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