
一般投資家にとってトークン投資は難しいという事実について
本コラムでは、トークンやアルトコインの投資について書きます。
2019年現在、2017年のバブル時から真面目に暗号通貨投資、ストラクチャーを考えてきてた人にとって一番面白い時期になったと思います。2017年のバブル時に買って節度を持ってEXITをした人が一番利益を上げることができましたが、バブル収束を経て、ようやく暗号通貨市場は、ファンダメンタルが価格を牽引する傾向が高まってきたように思います。
これからは、トークンのファンダメンタルを考えられる投資家ではないと成績は出ないでしょう。現在、逆にこれが出来る人はマーケットに非常に少数ですが、出来る人にとっては今はすごく面白い市場になってきているのではないかと筆者は感じています。
トークンのファンダメンタルを理解できるまでの勉強ハードルは高く、トークン投資は完全に専門領域の世界になりつつあるという側面もあります。トークンモデルの構造理解、どこがバリューキャプチャするか、を考えられることをひたすら楽しめる人が強いだろうと思います。トークンの中期投資で成功しているファンドは、いずれもこれが徹底されています。
これに加えて、さらにαを持っているのがトッププレーヤーです。
例えば、シリコンバレーで強力なインナーサークルと起業家を支援できるネットワークを構築しているa16z、トークンモデルや価値がブロックチェーンのエコノミクスの中にどこにつくかを徹底的に研究をするPlaceholderなどがその一例です。
トークンモデルの構造理解の大切さ
トークンの評価算定についての話に少し触れます。
2019年の1-2月に、暗号通貨市場全体が低迷している中で、大きな上昇をしたトークンにMKR(メイカー)やBNB(バイナンスコイン)があります。MKRには、ガバナンストークンとユティリティートークンの2つの側面があります。MKRは、ガバナンストークンで、何かしらの決定に対して投票をする権利を得ます。
ガバナンスの範囲は、
- Stability Fee(DAI生成の金利)
- Multi-Collateral DAI(担保が複数になったとき、何を採用するか)
- ロスカットレシオ
- 将来の開発方針
などが含まれます。
加えて、MKRはStability Feeの支払いにも用いられます。DAI(ダイ)を生成をする際に、金利を支払う必要がありますが、これはMKRによって支払いが行われます。同時に、支払いに用いられたMKRは、その時点でバーンがされます。
このStability Feeの支払いはユーザーが直接MKRを支払うのではなく、Stability Fee分のMKRをスマートコントラクトがDEXから自動で購入をして、バーンをします。
より詳しくは、下記の記事に詳しいです。
参照:MakerDAOのガバナンストークンであるMKRを投資対象として検討する。将来価値を考えるために見るべき指標、考え方
さて、これらのトークンモデルがどのように価格に作用をするか仮説をたてて投資判断を下せる人は、現在の市場にどれだけいるでしょうか。
答えは、非常に数少ないです。
だからこそ、現在トークン投資のマーケットはすごく面白いと言えますし、同時にトークンモデルの構想理解と価値がどこに移動をするかの仮説を立てれない人は参入するべき分野ではないと言えます。
参考になれば幸いです。
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