
仮想通貨により投げ銭(チップ)の文化がアップデートされるかもしれません。そもそも投げ銭とは、路上で歌っているミュージシャンやさまざまなパフォーマンスをする大道芸人に対して、自分からお金を支払うことをいいます。
現在は、インターネットの普及により、ネット上でイラストを公開する絵師や小説を公開する作家などのWeb上で活躍するクリエイターが増えてきました。今までは彼らに直接、投げ銭をするためには複雑な手続きが必要でした。それが、仮想通貨の登場によりもっと気軽に投げ銭ができるようになりました。
本記事では、仮想通貨の投げ銭(チップ)について解説します。
仮想通貨の投げ銭(チップ)とは?
仮想通貨の投げ銭(チップ)とは、PCやスマホからWebを経由して、仮想通貨を誰かに送ることをいいます。銀行を利用する場合に比べて、仮想通貨の送金は24時間365日でき、最低必要額もなく手数料も安いという特徴があります。
このような特徴により、Web上でクリエイターに対して直接、対価を支払うことが可能になります。仮想通貨は、投げ銭以外にも決済に利用することができるので、受け取った相手は実際のお金をもらったのと同じような感覚です。
仮想通貨の投げ銭(チップ)のやり方とは?
では、仮想通貨で投げ銭(チップ)をしたい時にどのようにすればいいのでしょうか?
主に3つのやり方があります。
公開されたウォレットのアドレスに送る
1つ目のやり方は、公開されたウォレットのアドレスに送ることです。もちろん、相手がウォレットのアドレスを公開していなければ、投げ銭をすることはできません。しかし、もし公開しているようであれば、そのウォレットのアドレスと送りたい金額を入力して、実行すれば良いだけです。一番、シンプルなやり方だといえるでしょう。
Twitterのbot(ボット)を利用する
2つ目のやり方は、Twitterのbot(ボット)を利用することです。
代表的な投げ銭のためのTwitterのbotは次の3つです。
- Tipmona(@tipmona)⋯ モナコイン(MONA)
- Tipnem(@tipnemm) ⋯ ネム(XEM)
- Tipple(@tipxrp) ⋯ リップル(XRP)
例えば、Tipmonaでは以下のメッセージを投稿することで投げ銭ができます。
@tipmona tip @TwitterのID 金額
Twitterに登録していれば、誰でも簡単に投げ銭をおこなえることが特徴です。
投げ銭(チップ)対応のWebサービスを利用する
3つ目のやり方は、仮想通貨の投げ銭に対応するWebサービスを利用することです。
例えば、次のようなサービスがあります。
- Tippin me ⋯ TwitterでBTCの投げ銭を可能にする拡張機能
- TIPPHOTO ⋯ Instagramで仮想通貨の投げ銭ができる
- モナバコ ⋯ 質問に答えると投げ銭がもらえる
これからも、投げ銭ができるサービスは次々と生まれてくるでしょう。
仮想通貨の投げ銭(チップ)の注意点
仮想通貨の投げ銭(チップ)は、気軽にWeb上で行えますが、注意点があります。本章では、3つの注意点を紹介したいと思います。
投げ銭(チップ)にかかる税金
仮想通貨の投げ銭は、新しく生まれた仕組みです。ただ、金銭的価値のあるものをやりとりする以上、税金についても考えなくてはなりません。投げ銭を受け取った場合と投げ銭をする場合に分けて考えましょう。
投げ銭を受け取った時
投げ銭を受け取った時は、状況に応じて贈与税(年間110万円以下は非課税)か所得税(年間20万円以下は非課税)が課せられます。
まず、投げ銭を対価としてではなく無償で受け取った時は、贈与税がかかります。これに対して、投げ銭を有償で受け取った時と投げ銭された通貨を売却した時には、所得税がかかります。
投げ銭をする場合
一見、投げ銭をすることに対して税金はかからないような気がしますよね。しかし、投げ銭した金額とその通貨を購入した金額の差に対して、所得税がかかります。
操作ミスは取り返しがつかない
仮想通貨の投げ銭をする時に、相手先のウォレットのアドレスを間違えたり、送金する桁数を間違えたりすると、やり直しがききません。そのため、投げ銭をする時はこのような操作ミスが起きないように入念に確認してから投げ銭をする必要があります。
投げ銭(チップ)の法規制リスク
2019年5月31日に、仮想通貨の規制強化を含む改正法が成立して、2020年上旬までに施行されると決まりました。これを懸念した仮想通貨の投げ銭サービスは次々とサービスを閉鎖するアナウンスをしています。これにより、投げ銭を行うことが以前よりも難しくなる可能性が大きいです。今後の見通しは経過観察する必要がありますが、厳しい法規制がしかれることになるようです。
まとめ
本記事では、仮想通貨の投げ銭(チップ)について解説しました。仮想通貨の投げ銭はWeb上で活動をするクリエイターにとって嬉しい仕組みではありますが、法規制の見通しが立たずなかなか一般層まで普及することは難しい現実があります。しかし、投げ銭の考え方そのものは魅力的であり、業界が成熟していけば、また風向きが変わるかもしれません。今後の動向に注目です。
(文・師田賢人)
★投げ銭できる主な通貨はこちら!
・モナコイン(MONA)の価格・相場・チャート
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